『声優魂』は日本最大の中高生の声優コンテスト。予選(国内、インターナショナル各部門)及び、地方大会の選考からファイナリスト21名が最終審査に臨んだ。
公開レッスン方式での最終審査では、アフレコ(課題作品『この素晴らしい世界に祝福を!2』)及び、掛け合い台詞による演技が披露され、審査員である声優の水島裕、倉田雅世らのアドバイスにより、高水準の演技審査が行われた。
■『第14回 声優魂』優秀賞&インターナショナルカテゴリー優秀賞:チュ・ミンヒョンさんインタビュー
――受賞おめでとうございます!
【チュ・ミンヒョン】「数日前に知人から“変にカッコつけずに全力で楽しんできて”と言われていたので、受賞は期待していなくて、全力で楽しもうという気持ちで来たんです。現場では若者たちの芝居や熱意に本当に影響されて“よし!自分も頑張ろう”って精一杯やったので本当に楽しめたんです」
――優秀賞とインターナショナルカテゴリー優秀賞のW受賞となりました。
【チュ・ミンヒョン】「インターナショナル部門としての受賞はすでに決まっていたので、その賞をいただいて“いい経験だったね”って帰ろうと思ったんですけど、優秀賞として自分の名前を呼ばれて…。それでマイク前での第一声が“どうしましょう”ってなったんです(笑)。今、日本の声優専門学校で学んでいるのですが、その中で本当にいっぱい悩みがあって。自分は本当に成長してるのかな、本当に日本で声優になれるのかな、自分の課題もいっぱい見つかって、それを乗り越えられるのか…。日本に来た頃は、やってやろう!という気持ちだったんですが、そこからだんだんと初心を失っていく感じだったんです。そんな中で、今回の声優魂で賞をいただいて、“君でもなれるよ”と言ってくれたような気がして、また自信を取り戻せたような気がしています」
――今日『声優魂』に臨んでの感想はいかがですか?
【チュ・ミンヒョン】「本当に楽しかったです! 掛け合い演技も3人の個性が出て楽しくて、やっぱり芝居って、人と一緒にやった方がいいんだなと。
――声優を目指そうと思ったきっかけは?
【チュ・ミンヒョン】「若い頃から芝居が好きで、自分じゃない誰かになることや、普段使わない感情や表現を使うことに魅力を感じていました。幼い頃から日本のアニメを観ていたんですが、『とある』シリーズ(『とある科学の一方通行』)の一方通行(アクセラレータ)というキャラを見て、この声優さん(岡本信彦)の声と芝居に本当に強く感銘を受けました。最初は声真似から入ったんですが、真似をしてみたら、声を使った芝居の面白さに気づいて。もともと日本の声優さんたちは本当に好きで、憧れがあったので、自分も日本の声優になれないかなと、最初は本当に漠然とした気持ちだったんです」
――そこから実際に日本の声優の勉強をはじめるわけですね。
【チュ・ミンヒョン】「ずっと日本のアニメを観てきたから、字幕無しでも観られるようになっていたんです。でもこのままじゃダメだから、本格的に勉強を始めようと思って、約3年間独学で日本語の勉強を始めて、アニメをミュートにして自分で声を当ててみるとか独自にトレーニングをしていたんですが、今なら日本に留学してちゃんと勉強したほうがいいと思って、日本の専門学校に入学し、学んで現在に至るという感じです」
――外国語である日本語で、声の演技をするという二重の壁があったと思うのですが、どうやって乗り越えたんですか?
【チュ・ミンヒョン】「留学前には日本の声優になるという気持ちは溢れていたんですが、現実的に本当になれるのかという心配もありました。でも、挑戦もせずに諦めるなんてバカだと思って、本格的に挑むことにしたんです。入学したばかりのときは当然、発音やアクセントなどいろいろ間違えてるところもありましたが、先生やいろんな人に聞いたり、自分でアクセント辞典で調べたりして補ってきました」
――周りの反響はどうでした?
【チュ・ミンヒョン】「学校のみんなは優しくて、普段“ミンちゃん”と呼ばれているんですが、“ミンちゃんすごいよ!”って応援してくれます。本当に嬉しかったですね」
――これからどんな声優になりたいですか?
【チュ・ミンヒョン】「『声優である前に俳優であれ』とよく言われるんですが、俳優の根幹ってやっぱり芝居だと思うので、人々を納得させられる芝居をしたい。芝居で人々の気持ちを動かせられる、そういう俳優、声優になりたいんです。そして様々な役を演じながら、この業界で長く活動していきたいです」
――憧れている俳優はいますか?
【チュ・ミンヒョン】「櫻井孝宏さん、そして杉山紀彰さんです。お二人とも演技の幅が本当に広くて、それでいて声をそこまで変えていないんです。
――ちなみにハマっているアニメはありますか
【チュ・ミンヒョン】「『3年Z組銀八先生』です。もともと『銀魂』が本当に大好きで。でも『銀魂』は終わっちゃったじゃないですか? それでしばらくの間その味を楽しめなかったんですが、やっと帰ってきてくれて。学園モノになったものの、『銀魂』の味がちゃんと活かされていて、“いやー、懐かしいなー”ってなってます。そしてたまにあったかい話になるので、そのギャップが本当に面白いです」
【各賞受賞者】
最優秀賞:中村佳稟(なかむら・かりん/中等教育学校5年生/北海道)
優秀賞:木原夢菜(きはら・ゆな/高3/福岡県)
優秀賞:チュ・ミンヒョン(韓国)
■インターナショナルカテゴリー
優秀賞:チュ・ミンヒョン(韓国)
優秀賞:本木セガン オリヴィア(フランス)

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