同賞は、2008年度より、経済・文化・芸能・スポーツなど各界で活躍する人物から、釣りへの造詣の深さや、釣りの愛好者、釣り文化の発展への寄与をもとに、毎年選出しているもの。
藤木は、俳優・アーティストとして多彩な表現活動を続けるほか。多忙な日々の中でも自然を愛し、趣味の「釣り」を通じて心身のバランスを取っているという。俳優仲間にも釣りの楽しさを広める“釣り伝道師”としての一面も持つ。
藤木の公式インタビューと、大物を釣り上げた写真が多数公開された。『釣りフェス2026』(2026年1月16~18日、パシフィコ横浜)の日本釣用品工業会ブースで受賞者紹介パネルが展示される。
■藤木直人インタビュー
――釣りを始めたきっかけ
子どもの頃、近所の川で「鯉が釣れる」と聞き、団子釣りに挑戦したのが最初の出会いでした。ただ、当時は教えてくれる人もおらず、まったく釣れなくて。「釣りって難しいな」と感じた記憶があります。それからしばらく釣りから離れていましたが、音楽活動で地方に行くようになってから、釣り好きなバンドメンバーやスタッフに誘われて再び竿を握りました。そこから徐々に興味を持つようになり、YouTubeで釣りを勉強するようにもなりました。
その中で九州を拠点に活動しているYouTuberの「釣りいろは」のファンになり直接連絡を取って、九州まで行ったりして、動画にも出させていただきました。玄界灘・七里ヶ曽根での鯛や青物との出会いは、今でも忘れられません。
釣りは、一人で始めようとすると少しハードルが高いかもしれません。だからこそ、最初に「優しく教えてくれる誰か」の存在がとても大切だと思います。僕も、後輩の俳優たちに「釣りをやってみたい」と言われると、ボートを手配して一緒に海へ出ます。
――好きな釣り・対象魚
今は東京湾がホームグラウンドです。季節ごとの旬の魚を狙い、釣った魚は必要な分だけ持ち帰って自分で捌きます。釣りの後は、その魚を食卓に並べて、仲間と「今日(きょう)の釣り話」で盛り上がる。僕にとっては、そこまでが“釣り”の楽しみなんです。
最近は、東京湾の海の変化も感じています。タチウオが1年中釣れるようになったのはうれしいですね。調理も簡単で本当においしい。
これからもいろいろな魚にチャレンジしたいと思っていますが、陸っぱりのシーバス釣りが僕の原点なので、シーバスには特別な思い入れがあります。なので自己記録の77センチを超えるシーバスは狙いたいです。
――釣りの魅力
何よりも、魚が掛かった瞬間の“生命が伝わる感覚”。 静寂の中から一瞬で竿先に命が宿るあの瞬間は、言葉では言い表せないほどの興奮です。
だから僕は、よりダイレクトにその感触を味わえるルアー釣りが好きですね。
夏に子どもが小さかった頃、一緒にカブトムシやクワガタを採りに行ったりしました。昆虫採りも自然の偉大さを肌で感じますよね。でも、釣りはそれをさらに大きなスケールで感じられる。海の中には、想像もつかないほど多くの生き物がいて、その生命力に触れるたびに「自然って本当にすごい」と思います。自然の豊かさ、命のつながりを感じられるのも釣りの大きな魅力です。
そして、もうひとつの楽しみは“道具選び”。
魚種ごとに専用タックルがあり、「このルアーが釣れる」と聞くと、つい手に取ってしまいます(笑)。
仕事が忙しく、今は月に1~2回行けるのが精一杯ですが、いつかもう少し自由な時間ができたら、海外の海にも挑戦してみたいですね。
釣りは、自然と向き合い、自分とも向き合う時間。
そして、人と人をつなぐ素晴らしい趣味です。 このような賞をいただけたことを励みに、これからも釣りの楽しさを多くの人に伝えていけたらと思います。

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