同作は、第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子氏の時代小説を実写化。
優しき若者が遂げた、“あだ討ち”事件。あまりにも劇的なその一部始終は居合わせた200人の目撃者によって語り継がれることになる。しかし、それは本当に美談だったのか。
今回解禁された予告映像では、長尾演じる美しき若衆・菊之助の見事な剣さばきによって、北村一輝演じる博徒・作兵衛がうめき声をあげながら討たれるシーンから始まる。雪明かりの中に浮かび上がる深紅の着物を揺らし歩む姿から一転、白装束をまとい現れた菊之助は、返り血ゆえ再び紅へと染まりながら、手には討ち取った首を強くつかんでいる。
そんな衝撃のあだ討ちのシーンを振り返りながら「ありえないんです」と放つのは、田舎侍・加瀬総一郎。“虫も殺せぬほどの優しい男”であった菊之助のあだ討ちの真相を追う総一郎が辿り着いたのは、秘密を抱える芝居小屋。そこでは渡辺演じる陰謀を企む立作者・篠田金治が「一体、何をお探しだ」と、総一郎をけん制するかのような眼光で待ち構えていた。
そんな中、突如として雷鳴が鳴り響き映し出されたのは、主人を殺した作兵衛の姿と菊之助のしぼり出すような「逃げろ――作兵衛!」という叫び。まるで深い絆でつながっているように見えるふたりが“仇を討つ者”と“討たれる者”として再会する―。
そして、芝居小屋に響くのは、金治の「やるしかないか」という静かな覚悟の一言。迷いのない足取りで奔走する森田座の人々。芝居小屋の人々が守りたかったものとは一体何なのか。仇討ちの裏に隠された人々の想いとは。結末への期待と共に、温かな涙を予感させる予告編となっている。
合わせて、解禁されたメインビジュアルでは、雪の降る夜に起こった、菊之助と作兵衛の仇討ちのシーンが大きく映し出され、下部には総一郎と金治を中心に、菊之助と作兵衛や森田座の面々、菊之助の父・清左衛門と母・たえの姿も。菊之助の赤い着物や和傘が印象的に描かれ、「江戸に咲いた大輪の華、そのカラクリを解き明かしましょう。」というコピー通り、シンプルながらも鮮やかで目を惹くビジュアルとなっている。
さらに、劇中歌舞伎において七代目 市川團十郎役を『侍タイムスリッパー』で話題の冨家ノリマサ。五代目 松本幸四郎役を名バイプレーヤーの本田博太郎が演じていることが解禁となった。事件の裏に隠された“もう一つの物語”がひも解かれるたび、観る者は“あの夜”に秘められていた人々の想いを知ることとなる。
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