■アイプチの購入代で消えたお小遣い「まぶたが重いせいで、すぐに元の一重に戻ってしまった」
――SNSでの反響についてどう感じていらっしゃいますか。
「素直にうれしい気持ちが大きいです! まだまだな部分も多いですがインターネットを通して全く面識のない方からそのような反応をいただけると、昔よりも少しは変われたのかなと安心します」
――そもそもヒトミさんが美容に目覚めたきっかけは?
「はじめから美容医療に興味があったわけではなく、中学生のころ、友人がメイクをしているのを見て自分もしてみたいというところからメイクを始めました。ただやはり一重なのもあって、アイプチが中学一年生のころから手放せず、お小遣いはいろいろなアイプチを購入することへ消えていきました。
ありがたいことに母は二重整形に賛成派だったので、高校入学祝いとしてお金を出してもらい、卒業してすぐ初めての二重整形をしました。しかし、まぶたが重いせいで、すぐに元の一重に戻ってしまい、その後も高校在学中に2回二重整形をしました。それでも意味がなく、再びアイプチをする生活に戻ったことがつらかったです。3回も埋没しているし、切開手術しかないのかと考えていたところ、友人にクリニックを紹介してもらい、大学3年で眉下切開、眼瞼下垂手術をしました」
――そうだったんですね。当時、ヒトミさんのコンプレックスは目もとでしたか?
「自分の体型、顔…自分の容姿はすべてコンプレックスでした。中学では教室の1番後ろの席の男子から、1番前の席の私に向かって『うっせーんだよ、ブタ!』と教室中に聞こえるくらい大声で言われたり、男子数人に『ワンピースの○○に似てね?(笑)』(太ったお世辞にもかわいいとは言えないキャラ)と一日に何回も言われて、学校に行きたくないと思う日もありました。恋愛面では勇気を出して告白して振られた男の子が実は学校でかわいいことで有名な子が好きだった、ということを知ったときもありました。
また、アイプチをしないと外に出られないという強迫観念があり、毎朝うまくいくまで何回も、何時間もやり直したこともつらい記憶として残っています」
■大学3年生で経験した眉下切開の手術が転機に「新たな自分に出会えたように感じました」
――ダイエットや整形は、短期間で大きな変化は難しく地道なことの積み重ねですが、なかなか自分の思うように変われなくて心が折れそうなとき、どうやって乗り越えられたのでしょうか?
「整形をしたことを公表しているyoutuberさんの動画を見て、私も整形してこんな風に綺麗になれるのかもと思ったり、整形したらかわいい服を買ったり、ディズニーに行ったりなど、ひたすら自分のやりたいことを妄想していました(笑)」
――そんなヒトミさんが、ご自分で一番“垢抜け”を実感されたのはいつ頃でしょうか?
「大学3年生の夏ごろですかね…。眉下切開をしてからだと思います。二重幅は広がっていないものの、目が大きくヘルシーな印象になって、自分自身でも新たな自分に出会えたように感じました。ジムに通って痩せたこともありますが、眉下切開をしてから写真を撮るのが楽しくなりましたし、メイク面でもアイプチしなくてよくなったので精神的にも楽になりました」
――垢抜け後、ご家族やご友人など、身近な人の反応はいかがでしたか?
「嬉しいことに私の身近な方では冷たい意見や批判的な意見を言う人はいませんでした。むしろ『最近どんどん綺麗になってるけど、彼氏できた?』や『スッとしたね』とお褒めの言葉をかけてくれる方が多かったです。お世辞かもしれませんが母も『本当に綺麗になったよ』と褒めてくれます(笑)」
■大学でルッキズムと美容医療を研究「自分の過去も無駄ではなかったと考えられるように」
――自分磨きで垢抜けに成功したことで、ご自身の見た目への考え方やコンプレックスに対する向き合い方はどう変化しましたか?
「以前は中高生のカップルを見ては、自分の中高生時代と比較して“選ばれた側”なんだな。自分はブスだったから“選ばれなかった側”だったんだと過去を受け入れきれないまま家に帰り、部屋で泣いていたこともありました(笑)。
しかし大学の卒業研究で『ルッキズムと美容医療』について研究したり、活動の中で『動画がすごく参考になりました!』などの言葉をいただけると、過去も無駄ではなかったのかもしれないと感じます。こうして成長するために過去があったのかもしれないと考えるようにしていますし、研究や活動を通して過去を少しずつ受け入れて昇華しているように思います」
――現在、美しくあるためにどんなことに気をつけていますか?
「現在は体型維持のために週3~5のジムと肌治療や脱毛をして、“流行り廃りのない美しさ、和装が似合う日本人らしいナチュラルな綺麗さ”を目指しているので、しばらくは切開を伴うような大きな手術はしないかなと思います。また、外的な美しさだけでなく、内的な美しさをも磨きたいと考え、料理や読書にも力を入れています。今後の具体的な目標はまだ考えていないのが正直なところですが、美容医療のレポやメイクを中心に活動して、容姿で悩む方の手助けをできればいいなと考えています」
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