人気声優と吉本新喜劇座員のコラボレーション『川畑泰史・小野坂昌也presentsボイコメ!~声優と新喜劇の朗読ライブ~』が13、14日、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールでが上演された。川畑泰史と小野坂昌也の“ダブルメイン”とする新体制で再スタート。
終演後には今後の野望が語られた。

 声優と新喜劇座員による朗読劇『ボイコメ』シリーズが、このたびリニューアル。初回から主演はもちろん脚本も手掛けてきた川畑と、『BLEACH』の平子真子役や『テニスの王子様』の桃城武役で知られる小野坂がタッグを組んだ新体制に。これまでの「新喜劇の世界観に声優がゲスト参加する」形から、アニメの世界を意識した内容に全面刷新。脚本は引き続き川畑が担当し、演劇集団・片岡自動車工業の片岡百萬両が演出を手掛ける。

 記念すべきリニューアル第1作のテーマは、“異世界ファンタジー”。14日には、新喜劇から川畑、岡田直子、千葉公平、声優界から小野坂、『その着せ替え人形は恋をする』の喜多川海夢役を演じる直田姫奈、『メジャー』の茂野吾郎役や『NARUTO―ナルトー疾風伝』の奈良シカマル役などを演じる森久保祥太郎が出演した。

 主人公は、ゲーム会社で働く冴えない男・川畑。子どもの頃の苦い経験から、自分の意見をついつい胸に収めてしまう気弱な男が、ひょんなことから異世界に迷い込み、RPG(ロールプレイングゲーム)さながらの大冒険を繰り広げるというストーリー。これまでの『ボイコメ』シリーズでは基本的に椅子に座ったままだったが、今回からは舞台セットを組み、キャストは、衣装に身を包んで台本片手に動き回る躍動感あるスタイルに変更された。

 小野坂は、ワガママな巨匠ゲームクリエイターと異世界の戦士という両極端な役柄を、変幻自在の声で見事に表現。川畑を「じゃがバタ」と言い間違えたり、小道具の長すぎる剣に四苦八苦したりと笑いどころ満載で、大阪弁での振り切ったボケもこなし、会場を沸かせた。


 直田はゲーム会社の新人社員役と異世界のプリンセス役。実は魔法使いという設定で、魔王を倒すパーティーに加わり、可憐なボイスで川畑に演技指導をしたり、キュートに攻撃を仕掛けたりと奮闘。スタイリッシュな上司役からとぼけた賢者へと、こちらも振り幅のある2つの役で魅了したのが森久保。マジメな声と表情でボケる演技が、会場に笑いの波を起こしていた。

 終演後の囲み会見で、川畑は「リニューアルして何より一番うれしいのは、小野坂さんもpresentsに名前が入っていること。『ドラクエ』で言えば『川畑は小野坂を手に入れた。タラララッタッタッター』ってレベル上がったような状態。これから10回、20回、100回と続けていきたい」と意気込む。小野坂は「お客さんの熱い声援や笑いでどんどん乗ってきて、自分が出てくる感じが本当に楽しい」と『ボイコメ』の魅力を語った。

川畑は続けて「我々の方が声優さんの世界観に踏み込んでいくことで、いい化学反応がもっともっと起こるんじゃないか」とリニューアルのコンセプトを説明。『ボイコメ』を通じて次々と“オタクの夢”をかなえている岡田は「次なる野望は?」との質問に「『ボイコメ』をアニメ化しましょう!」と豪語。川畑は「はぁ?」と驚きつつも「おもしろいかも」と興味津々な様子を見せていた。
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