長野博＆莉子、人命救助の最前線を“演じる”覚悟　フジ新春SP『119エマージェンシーコール』インタビュー

　1月3日にフジテレビで放送されるドラマ『119エマージェンシーコール2026 YOKOHAMA BLACKOUT』（後9：30）に新キャストとして登場する俳優の長野博、莉子がこのほど、ドラマの囲み取材会に出席。新たな顔として作品を彩る2人に、人命救助の最前線に立つ人物を演じる上で大切にしていることなどを語ってもらった。

　同作は、消防局の通信指令センターを舞台に、一本の電話で命をつなぐ“最前線”に立つ、指令管制員（ディスパッチャー）たちの“現実”を描く完全オリジナルストーリーのドラマ。今年1月クールの連続ドラマ以来、約1年ぶりに放送となる本作はオール新作で放送。そして、主演の清野菜名をはじめ、瀬戸康史、見上愛、一ノ瀬颯、前原滉、中村ゆり、佐藤浩市らおなじみのメンバーが再集結する。

　長野は関家高規（せきや・たかのり）、莉子は綿貫なずな（わたぬき・なずな）、いずれも司令課3係の指令管制員を演じる。

――前作が放送されている中、どのような心境で撮影チームに入っていこうと考えていましたか？

長野：ドキュメントを見ているようなドラマのイメージでした。実際に起こり得るようなエピソード、それに対応する現場が描かれる作品は、あまり見たこともなかったです。人の命も関わってきますし、緊迫感もあります。ドラマじゃないような感覚で、レギュラーシリーズは拝見しておりました。何ヶ月間も共にしている仲間たちがいる中に、自分が飛び込む、その船に委ねようかなという気持ちで挑もうと思っております。

莉子：教科書のようなドラマだと思っています。「119」という世界は知りたくても知る機会がなく、人生に1度経験があるかどうかだと思います。役者をやるにあたり、（自分の）伝えたいものを芝居を通して伝えたいと思っているので、今回は実現できるチャンスだと。大切に演じたいです。

――撮影に対して準備していることはありますか？

長野：先日、横浜市消防局の現場を見学させていただきました。そういう機会を設けていただいたのはすごく大事ですし、貴重な経験をさせていただいたなと。

莉子：実際見学に行かせていただきました。119番にかかってきた後の画面の操作の練習もまた数日後にやらせていただく。今まで本当に全くわからなかったので、新しい経験をさせていただいているなと。日々、学びが多いですね。

――演じられる役の印象を教えてください。

長野：いろんな経験を経て司令課に来ているんですけど、救急の現場で経験したことがある分、自分の中で咀嚼（そしゃく）しながら、とにかくそぎ落として、今必要な情報を明確に伝えていくようなイメージでしょうかね。クールなところもありながら、他の方から見ると「そんな対応？」というところも描かれています。

莉子：とにかく自信がない。監督が「今の若い子たちは電話を取ることに慣れていない」と言っていたんですが、まさにそれが現れていると思いました。「すいみません」が口癖で、司令課にいて数ヶ月、慣れているはずなのに周りの顔色を見てしまう。そういう癖が抜けない子でもあるのですが、それって、現代の若い子たちに共通するところがあるかなと思いながら演じています。この世代だからこそ、共感できると思いました。

――撮影で楽しみにしていることを教えてください。

長野：皆さんと初共演なので楽しみです。あとは（司令課）の画面操作。楽しみというよりも、セリフに合わせた動きの指導をこれから受けるので、まだまだ未知ですね。

莉子：既に撮影には入っているのですが、新島役の見上愛さんに、司令課のシーンが「一番大変だった」と聞いたので、そこが不安です。でも前作で共演者の皆さんがすごく仲良くて、待ち時間とかにずっとゲームをしていたというお話も聞いているので、そういった場面が目の前で繰り広げられるのかなとワクワクしています。

――司令課の仕事を知って、驚いたことはありますか？

長野：現場見学で案内してくださった方に「119番にかけたことありますか」と聞かれたのですが、今まで1度もないなと。やっぱり混乱してパニックになって電話をしてくる方もたくさんいらっしゃるとのことなので、そこに自分が引っ張られないように冷静でいなくてはいけないということを電話を受けている方に聞き、確かにそうだなと。電話の向こうの人がパニックになったら、通報者はさらにどうしていいのかわからなくなるというのは、実際の現場を見せていただいたことで体感できましたね。

莉子：普段のコミュニケーションの取り方とは全く違う緊張感がありますし、伝える側もどうしたらうまく伝わるのかをより一層強く考えないといけないなと。どうしたらつなぎとめることができるのか、どうしたら伝えたいことが伝わるかっていうのを、より考えないといけない仕事だというのはすごく感じたので、そういったことを伝えられるドラマにしたいです。

――視聴者にはどういった部分を注目して見てほしいですか？

長野：何よりもこうした現場があるということを体感していただけるような雰囲気で芝居ができたらいいなと思います。消防局に行った時も、その前回のシリーズによって司令課というお仕事を知ってくださった方がたくさんいて、「職務に就きたい」「電話する側も伝え方を学んだ」といった声が実際にあったそうなんですね。それはすごく大切なこと。またこのスペシャルを通じて、視聴者の方に良い伝え方ができたらいいなと思っております。

莉子：今この瞬間にも「119」は動いている。敬意やリスペクト、そういった気持ちにもつながってくれたらすごくうれしいなと思います。私も伝えられるように一生懸命に演じさせていただきます。