生涯現役を貫き、日本映画史に燦然と名を刻む名優・仲代達矢の功績を振り返る特集上映「役者・仲代達矢 銀幕の軌跡」が、東京・池袋にあるミニシアター「新文芸坐」で開催される。2026年1月から12月までの1年間にわたり、仲代さんの出演作を毎月上映し、その銀幕での歩みをたどる長期企画となる。


 仲代さんは、専属俳優という枠にとらわれずフリーとして活動し、小林正樹、黒澤明、岡本喜八ら日本映画を代表する巨匠監督の作品に数多く出演。一方で、俳優養成所「無名塾」を主宰し、後進の育成にも力を注ぐなど、俳優として独自の道を切り開いてきた存在だ。

 本特集では、そんな仲代さんの映画人生を銀幕で振り返るべく、1年間にわたって代表作を継続上映。記念すべき第1回となる1月の上映作品には、仲代さん自身がベスト作品のひとつに挙げていた『切腹』(1962年/監督:小林正樹)と、盟友・岡本喜八監督による時代劇『斬る』(1968年)が選ばれた。

 上映期間は1月12日から17日まで。最終日となる17日には、『切腹』上映後にトークショーも開催される。聞き手を務めるのは、『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代』の著者であり、時代劇・映画史研究家として知られる春日太一氏。長年にわたり仲代さん本人の言葉を記録してきた春日氏が、作品と俳優の魅力をひも解く。

 2月以降も『人間の條件』をはじめとする代表作が毎月上映される予定で、日本映画黄金期を支えた名優の軌跡を、スクリーンで体感できる貴重な機会となる。
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