田中角栄元首相の長女で文部科学大臣などを歴任した田中眞紀子氏(81)が、25日放送の読売テレビ・日本テレビ系昼のワイド番組『情報ライブ ミヤネ屋』(月~金曜 後1:55)に生出演。“当選同期”である高市早苗内閣総理大臣による“高市外交”について言及した。


 この日は元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏(56)、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏も同番組に出演するなど、番組開始前から司会の宮根誠司(62)が「カロリーの高い2時間になりそうです(笑)」と予告してスタート。橋下氏も「(田中氏と)きちんとお話したことがないので楽しみです」と意気込むと、宮根は「言い合いになったら僕を画面から外してください(笑)」と伝えた。

 番組では、今年10月に発足した“高市内閣”の「総点検SP」と題して番組を展開。冒頭に、10月の新内閣発足以降の国内外での出来事、その功績、功罪、世論の反応などをまとめ、VTRを放送した。

 番組中、高市総理の発言に対して、中国の反応をしていることについて「冷え込む“日中関係”着地点は?」というテーマで展開。宮根が田中氏に「日中、今影響が出てますが、高市さんはブレてるかブレてないのか、じゃあ、これから日中の関係はどうしていったらいいのかっていうのはどうお考えでしょうか?」と振ると、「ブレてるブレてないじゃなくて、この方の歴史というか外交の認識というものを私はちょっと問いたいと思うんですけれども。1972年9月29日、日中共同声明が発出されました。その中でもってよく知られてることですけども、中華人民共和国は、政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分な一部であるということを認めると。この中国の立場を日本も理解し、尊重する。さらに、ポツダム宣言8項の立場でさらに堅持すると。要するに、理解し、尊重し、堅持するとはっきり言ってるわけです。これは政治家として基本中の『基』でしょうね。
そういうことをしっかりとこの方が認識していれば、ポロリ発言というような形もちょっとなかったのではないかと。あの場で台湾についてああいう発言を。だから私は、政治家としての、総理としての発言の重さ、影響力ということについても、この方はちょっとご存じなさすぎる、という風に感じています」とバッサリ。

 橋下氏は「田中さんの、1972年の日中共同宣言の話なんですが、ポツダム宣言8項はカイロ宣言を引っ張ってきてるんです。これは正確に言うと、日本は台湾を放棄した、ところまでなんです。中国政府が言ってるのは、『台湾の領土がこれは中国のものだよ、不可分一体のものだよ』って言ってるんですが、日本はそれ承認していません。認めてるのは、中華人民共和国が唯一の政府であることと、日本は台湾を放棄したところまでで、領土までは中国のものだと承認はしていない。このギリギリのところをやってるんですよ」と田中氏の説明について補足。

 その上で「という前提の中で、僕はこれは存立危機自体に当たるんだけれども、日本に今それを中国とやり合って勝てるだけの力が今あるんですかと。僕は外交も、これ言った以上、もう撤回なんかできないから、国際社会で本当、日本政府頑張ってもらいたいですよ。もう中国がぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん言ってきてることに関して、日本の方はね、根拠のない発言なんて、お行儀のいいような反論しかしてないんですよ。もっと言い返したらいいじゃないですか。
中国がこんなことやってるんだ、ほかの国にもやってるんだっていうことを言ったらいい」と持論を展開した。

 続けて「あともう1つは、でも僕は日本人としてここは注意したいのは、中国に対して威勢のいいことをやってスッキリした気分になるのは、今の時代をちょっとリスクあるよと。これは軍事力比較してくださいよと。日本は中国本土を打ち込めるミサイル1発も持ってないんですよ。中国は日本の東京も大阪もこれを破壊できるようなミサイル持ってるんですから。僕は日本が力を持つまでは、こういうポロっと発言を控えてもらいたいと。力をとにかく蓄えてから…」というと、橋本氏が「そこまでいきませんよ。日本が中国以上の軍事力を持つなんて…。ただ、中国が言っていることがおかしいところはちゃんと言わなきゃおかしいですよ」といさめた。

 宮根が「日中関係も含めて、その今ギリギリのラインだという話ですね。これ、どうお考えでしょうか?」と再び田中に振ると、「あのポツダム宣言8項のことですけれども、これに基づく立場を堅持するという言い方を日本はしているわけですから、その堅持ということを少し考えなければいけないという風に思いました」と私見を披露。

 続けて「それからもう1つ、中国は今、えらくすごい過激な反応をですね、リアクションをすごくしてるなと。
それほど台湾の問題はナーバスなんだなってことも思いますが、どうしてここまで中国が過激な発言をどんどんするのかしらと、ちょっとびっくりもしています。ただ、それに対して日本がどうするかと言ったら、やっぱり高市総理が国会の場でおっしゃったことですから。高市さんが、釈明という言葉があるかどうかわかりませんが、フォローかもしれませんけれども、このことについてもう少しきちっとご本人の口でね。役人をお詫びかなんかに行かせましたけど、あんなことじゃなくて、内閣総理大臣の口でね」と提言。

 宮根が「もう1回言っちゃったものはなかなか否定できないと思うんですけど、総理が言ったことを…」と問うと「そこが政治家の知恵として、高市さんの内閣総理大臣としての資質が問われるってことじゃないですか」と語った。
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