合唱コンクールで伴奏を任されたため、必死にピアノの練習に励む中学3年生の姉。するとそこに4歳の弟が歩み寄り、「もうちょっと、こことかを頑張らなきゃ」と、譜面を指差しながら指導をし始めた。
その微笑ましい様子を収めた動画が29.7万回再生を超える反響を呼び、「素晴らしいアドバイス」「最後のやったったで顔!」「微笑ましいです」「貫禄ありますなー」などとコメントが寄せられた。お姉さんと弟さんの普段の関係性などについて、お母さんに話を聞いた。

◆やさしくて面倒見が良い中3の姉、“ザ・末っ子”で甘え上手な4歳弟「喧嘩はほとんどしません」

――ピアノを練習する中学3年生のお姉さんに、当時4歳の弟さんが助言する姿が話題になりました。動画を撮影した当時の状況を教えてください。

「これは夏休み中のことでした。秋にある合唱コンクールで伴奏を任された上の姉(サム)が、ため息をつきながらピアノに向かっていたところ、末っ子(ケロ)が『どうしたと~?』と聞きに行ったので、『何か面白いことが始まるかも?』と思い、カメラを持って私もついて行きました。そして、ピアノ未経験のケロから出る、我が物顔の振る舞いと助言に、肩を震わせながら撮影をしました」

――ピアノのエピソード以外でも、弟さんが「的確なアドバイス」をすることはあるのでしょうか?

「アドバイスではないですが、ケロは最近ひらがなを覚えたため、読むのが楽しいようで、2番目の姉(クロミ)の宿題のお手伝いをよくしています。漢字ドリルの問題をノートに書く際に、弟『1問目、かくだい。2問目、すなぼ』、姉『すなぼ? すなばやろ~』などと、お手伝いなのか邪魔なのかよくわからないことをしてくれています」

――お姉さんと弟さんの関係性を教えてください。

「姉と弟の関係性は、まるで飼い主とペットのようです(笑)。10歳離れているので、喧嘩はほとんどしません。弟『サム、これ(シールなど)ちょうだい』、姉『私のこと好き?』、弟『好き』、姉『いいよ、はい!』。
こういった感じの会話が定型です(笑)」

――2人のそれぞれの性格は?

「姉は基本的にやさしくて面倒見が良く、ソフトテニス部の部長もしていました。学校であったことや友達のこともオープンに話してくれます。弟は“ザ・末っ子”という感じで甘え上手です。かわいいと思われる行動を“わかって”やっている気がします。“これ以上わがままを言うと姉が怒るかも”という境界線も徐々に学んでいるようです。姉のテニスの試合に連れて行くと、『かわいい!』と姉の友達からもこねくり回されるので、ぶりっ子全開で飛び込んでいきます」

◆“小さいお母さん”として面倒を見てくれる姉に感謝「それぞれ性格が全く違うので、子育てに正解はない」

――「歳の差の姉弟で良かった」と感じるのはどういったときですか?

「本当に戦力になります! 10歳離れていると“小さいお母さん”です。一緒にお留守番をしてくれるし、お風呂にも入れてくれるし、着替えやトイレにも連れて行ってくれます。もちろん強要はしないですが、手が空いているときは率先して手伝ってくれます。今回のピアノのエピソードのようなことが日常に溢れているので、きょうだいで一緒にいるだけで母は癒されます。危なっかしくないので、安心して見ていられます」

――11歳のお姉さんもいます。弟さんとはどういった関係性でしょうか?

「弟にとって11歳の姉は、母に怒られるか怒られないかの“悪いこと”を一緒にする戦友であり、ライバルでもありますね。従っておけば“楽しいこと”を教えてくれる存在でもあります」

――3人のお子さんを育てる上で気をつけていることは?

「それぞれ性格が全く違うため、『子育てに正解はない』と気づかされることが多いです。
同じように育てているつもりでも、得意なことも好き嫌いもそれぞれ異なります。だから、『上の子のときはこうだったから』と決めつけず、個性を大切にしながら、なるようにしかならないと思って接するようにしています」

――子育てをする中で、大切にしていることや幸せを感じる瞬間を教えてください。

「一番大事にしていることは“愛情と笑い”です。学校や幼稚園が代休などのとき、必ずそれぞれとの時間を作ってデートをしています。たくさん話を聞いて、大げさに笑って、『あなたは私にとって一番大切な宝物だよ』ということを常々伝えています。子どもたち1人ひとりといろいろな話をしていると、語彙が増えていたり、友達への接し方が大人になっていたり、1人でできることが増えていたりと、とても成長が感じられて幸せです」
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