難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)とともに生きる母が、子どもたちへの想いと未来への希望を託したエッセイ&レシピ集『もしもキッチンに立てたなら 難病ALSのママが綴るいのちのレシピ』(はらだまさこ著)が、3月21日に徳間書店から発売される。

 本書は、4歳と12歳の子どもを育てる母であり、シェフとしても活動してきた著者・はらだまさこさんが、ALSと診断された後の葛藤や日常、そして「子どもたちに“母の味”を残したい」という強い願いをつづった一冊。
発売前から各メディアで注目を集め、応援の声が多く寄せられている。

 ALSは、手足の筋力低下から始まり、次第に身体を動かすことが困難になる進行性の難病で、現在も根本的な治療法は確立されていない。まさこさんは発症から3年以上が経過する中で、「完治は難しいとわかっているけれど、私は希望を捨てない」という想いを胸に、不自由になりつつある手でレシピを書き続けてきた。

 本書には、営んでいた喫茶店の人気メニュー「鉄板ナポリタン」や、旅先のタイで出会った「グリーンカレー」、いつか子どもたちに作ってあげたい「お弁当」、心と体にやさしい自然派ごはんなど、全17品のレシピを収録。それぞれの料理に、家族への深い愛情と、未来へつなぎたい記憶が込められている。

 「母としてしてあげたいことができない悔しさに涙した日もあった」と振り返る一方で、「できない中で、できることは何だろう」と前を向く姿勢が、文章の随所から伝わってくる。料理が好きな人はもちろん、家族を思うすべての人の胸に静かに響く内容となっている。

 はらだまさこは、1981年、喫茶店文化の街・愛知県豊橋市に生まれる。カフェオーナーの賢介さんと結婚後、出産を機に、家族で日本と海外を行き来する「暮らすように旅する」生活を送る。各地で出会った料理と食文化に影響を受け、2018年、福岡にオーガニック喫茶店「SoundsFoodSoundsGood」をオープン。

 2021年、長女を出産後、足に違和感を覚え、2023年にALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断を受ける。失意のなか、自然治癒の症例があることを知り、わずかな希望に光を見いだして生きることを決意。
子どもたちに自分の味と記憶を残したいと、不自由な手でレシピを書き始める。
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