オーダーメイドで服を作る女性が、祖母のために仕立てたドレスを公開したところ、450万回再生の反響があり、「ドレスもおばあさまも可愛すぎる…」「孫かな?って思ったら神だったw」「薔薇をまとっているよう!」「技術がすごい!」など、称賛の声が相次いでいる。オーダーメイドブランド「VE(Ville des Etoiles/ヴィルデゼトワール)」を運営するRionさん(@____noir.o0)に、ドレス制作の裏話やこれまでのキャリアについて話を聞いた。


■おしゃれな祖母をより華やかにした真っ赤なドレス…周りからの評判も◎

――動画「おばあちゃんのドレス作ってみた」が大きな話題になっています。お祖母さまが歌の発表会で着用されたドレスとのことですが、制作の経緯について改めてうかがえますか?

「以前、妹にニット素材の赤いワンピースを作ってあげたことがあったんです。家族旅行に行った際に妹がそのワンピースを着てくれたのですが、それを見た祖母が『なんて可愛いの!』とその場で試着するほど気に入ってくれて。『私にもこんなワンピース作ってほしいわ~』と言っていたので、プレゼントすることにしました」

――はじめはワンピースの予定だったのですね。

「妹に作ってあげたものと同じニット素材の生地を使い、少しだけデザインを変更したものを作ろうと思っていました。しかし、もうすぐお歌の発表会があるということを知り、せっかくなら! と、お披露目の場にぴったりな生地でドレスを作ることにしたんです」

――細部までこだわられた赤いドレスは発表会でも評判になったのでは?

「祖母はいつも色鮮やかなお洋服を着ていて、とても華やかな印象がある人なのですが、意外にも真っ赤なドレスは持っていなかったんです。だからか、ドレスを着ている祖母の姿がいつも以上に華やかに見えて、とってもキラキラしていたのを覚えています。発表会でも周りのお友だちから『とっても素敵!』とたくさん褒めてもらえたと、嬉しそうに話していました」

■幼少期から「着回しコーデ」に熱中! 大学で服飾を学びファッション界へ

――現在、ご自身のオーダーメイドブランドを運営されていらっしゃるRionさん。Instagramで公開されているドレスやワンピースも好評で、「素敵!」「可愛すぎる」といった声が寄せられています。ブランド立ち上げまでのキャリアついて、お聞かせください。

「幼少期からファッションが大好きで、小学生の時にはすでに次の日に着るお洋服を自分で選んでいました。同じ組み合わせにならないよう着回しを考え、新しく可愛らしいコーディネートを組めた時は、同じお洋服なのにまったく違うものを纏っている気持ちになれて嬉しかったのを今でも覚えています」

――本格的にファッションの道へ進もうと決めたのは?

「高校3年生になり、これからの進路を真剣に考え始めた頃ですね。
色々と考えましたが、やっぱりファッションを学びたいという気持ちが強く、服飾を学べる大学に進もうと決意したんです。その後、服飾に関連する学部がある大学のオープンキャンパスに通い、最もクオリティーの高いファッションショーを行っていた文化学園大学に決めました」

――そして大学で4年間学ばれ、就職されたと。

「大学卒業後は、アトリエが併設されているウェディングドレスショップに入社しました。お客さまの体型に合わせて幅出し、幅詰めといったドレスのお直しをしたり、ベールやリングピローといったウェディングの小物類の制作をしたり…。時には、大学で学んだ知識を交えて接客をすることもありました。こうした会社での経験は、自分にとって凄くプラスになったなぁと実感しています」

■夢を叶えるために退社し「自分が服を作る意味」を考えた日々

――ご自身のブランドを持ちたい、という気持ちはいつからあったのでしょうか。

「大学に在学している時から、頭の中にぼんやりと『いつか自分のブランドを持ちたい』という思いはあったんだと思います。その夢を叶えるため思い切ってドレスショップを退社し、自身のブランドを立ち上げる決意をしました」

――夢のためとはいえ、すごく勇気のいる決断だったかと思います。色々なブランドの形がありますが、その中でオーダーメイドを選んだ理由とは?

「最初は自分でデザインしたお洋服を、自分の手で作って販売したいと思っていたんです。ですがSNSの普及で新規参入のハードルが下がり、ブランド数もかなり増え、少しだけ形を変えた同じようなお洋服が溢れかえっている現状を見て『そんな中で私が作る意味ってなんだろう?』と考えるようになりました」

――ご自身でブランドを立ち上げる意味を、冷静に考え直されたと。

「その時ふと、習っていたピアノの発表会で着るドレスを探すのに、毎年多くの時間をかけていたことを思い出したんです。ネット上では多くのドレスが販売されているのに、しっくりくるデザインがない、体型に合うサイズや好きな色味がない、生地が安っぽいなど…。
こだわりの強い私はなかなか理想の一着に出会えませんでした。そういう人に寄り添うブランドってなかなか無いことに気づいたんです」

――ご自身の経験から、ブランドのコンセプトを構築されていったのですね。

「ドレスに限ったことではなく、普段着を選ぶ際にも同じような経験を何度もしてきました。だからこそ私のブランドでは、ブラウスやスカートといった普段着のオーダーメイドも承っております。もちろん、お子さま用のサイズもお作りしますよ」

■何年経っても心がときめくように…細部までこだわりの詰まった理想の1着を

――ファストファッションが普及している昨今、オーダーメイド服の魅力はどこにあると思いますか?

「これは私の願望も混じってしまうのですが、オーダーメイド服の魅力は『何年経っても大切に着ていただけること』だと思っています。最新の流行を取り入れたお洋服を短期間で大量に生産し、低価格で販売すること…その仕組みは現状、お洋服の廃棄量をどんどん増やしていますよね。ファッション業界が抱える難しい問題の1つで、作り手としても非常に悲しいことだと感じています」

――確かに流行だけを追って服を選んでいると、すぐに着なくなるものが出てきてしまいますよね。

「何年経っても着ると心がときめくお洋服が、長く手元に残り続けると思っています。ですから私のブランド『VE(Ville des Etoiles)』では、お洋服のサイズ感や着心地はもちろん、生地選びやウェストの切り替え位置、フリルのボリューム感、リボンの大きさ、ストーンの数まで…じっくり時間をかけて打ち合わせをさせていただきます。細部までお客さまのこだわりを詰め込んだ、理想の1着を仕上げること。それがお客さまの心に残り、結果的に長く着ていただけることに繋がるのでは…と考えているんです」

――オーダーメイドのお洋服…頼んでみたくなりました。

「ちなみに、『VE』でオーダーして頂いたお洋服やドレスは、デザイン変更やサイズのお直しにも対応しています。
こういったことが出来るのも、オーダーメイドの魅力かもしれません。少しデザインに飽きてきたと感じたら、生地を変更してみたり、スカートのラインを変えてみたりするのもおすすめですよ」

――好みや体型が変わっても安心ですね。

「また、これは『VE』だから…という話になってしまうかもしれませんが、デザインの打ち合わせからパターン作り、縫製まで、全ての行程を1人で行っているため、短時間での即対応が可能です。これも魅力の1つかなと思います」
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