声優佐久間大介(Snow Man)と三森すずこがW主演を務める映画『白蛇:浮生』日本語吹替版が公開中。本作で仙(セン)を演じた佐久間がインタビューに応じ、吹替版の難しさ、前作で演じたキャラクターの“転生後”を演じる難しさを率直に語った。


 本作は、大ヒットを記録したアニメ映画『白蛇:縁起』(2021年日本語吹替版公開)の続編。舞台は南宋の都・臨安。500年の時を経て、白(ハク)はついに宣(セン)の生まれ変わりである仙と再会する。運命の赤い糸に導かれるように白に惹かれてゆく仙。やがてふたりは永遠の愛を誓い幸せな日常を送るようになる。しかし、高僧の法海が妖怪退治に現れる。法海は、白と青(セイ)が蛇の妖怪であることに気付き、白と仙を引き裂こうとするのであった。浮き世の中で繰り広げられる命を懸けた愛の試練──果たして、ふたりの愛の行く末は。

――再び“セン”を、それも転生後の仙を演じると聞いたときの率直な気持ちを教えてください。

佐久間:転生したらどうなるんだろうというのは、台本を読むまでは全然わからなかったので、どういう子なのかなと気になっていました。そうしたら、やっぱり宣とはそもそも住む世界が違っているので、そりゃあ性格も変わるか~って。宣よりもビビりで、でも好奇心がすごいあるわけでもなく…。
あと文系になっていましたね。

――前作よりもさらに経験を積んで、声優としても成長されて迎えた続編となりますが、自身の中で成長や変化を感じた点はありましたか?

佐久間:一番感じたのは、成長よりも難しさでした。吹き替えってこんな難しかったんだ、っていう。もう絵が出来上がっていて、本国の役者さんがすでに声を当てられているので、そのキャラクターと呼吸を合わせないといけないんです。決まっている呼吸なので、こちらが合わせにいくんですけど難しくて。今回のアニメーションでわかったのは、めちゃめちゃお芝居の最中に息が入っているんです。ため息だったり、息を吸う音が入ったりしていて、「細かくここで吸うの!?」みたいな。(経験を積んで)いろいろ知ったからこそ、「ここで呼吸がこうなるんだったら、ここの意味合いで考えるとここでの伝え方はこうなるから、じゃあここでもう一回息が入ってくる」みたいな感じで、考えることが多かったですね。

――そういうことは台本に書き込みますか?

佐久間:書き込みますね。でも逆に、今回の台本は全部書かれすぎていて、非常に困惑しました。前回はもう少し簡潔だったんですよ。テレビアニメーションとほぼ同じで、舞台の台本みたいな感じだったんです。
今回は、後ろでしゃべっている人のセリフとかも入っていたり、誰かとかぶっているセリフも書いてあったり、息が書いてあったりとかして、ここまで書かれると全然わかんないな、みたいな(笑)。目が追いつかないんですよ。「ここらへんやってるはずなんだけど、後ろの会話も書かれてるから、次読むのがここで…あれ?どこ行った?」って。そういうことが多すぎて、とても大変でした。

――そういった難しい環境の中で、同じだけど違う転生後の人物を演じるにあたり何を一番意識されましたか?

佐久間:その子のスピード感です。宣はすごく好奇心旺盛だったし、自分で狩りに出かけて、自分で何かを取ってこないと生きていけないような村で住んでいて。でも仙はご飯を買えばいいし、自分で取りに行くとかもないからこそ、どんどんアウトドアから離れていく。真逆の人間なので、そもそも生きるスピード感が違うというのを意識しました。

――その中で1番苦労された部分はどこですか?

佐久間:声を張ったときに宣になっちゃうことですね。ここのテンション感だったらこれぐらい声は強くなるだろう、でもそうなると宣になっちゃうな、って。人間としての振り幅で言ったらここまでやるけど、でも宣にはなっちゃいけないし、っていう葛藤はありました。

――今作もフルCGで、切ない物語が展開されますが、ご覧になっていかがでしたか?

佐久間:やっぱりCGがすごいですよね。
CGなのに温かみあるモーションで、キャラクター性と動きと質感。ちゃんと冷たくなく感じられるじゃないですか、3Dなのに。すてきだなって思ったし、戦闘シーンのスピード感とかも、前作同様めちゃめちゃすごいなって改めて思いました。

前回は“転生と愛”がテーマだったと思うんですけど、今回は“運命”だと思うんです。なんでこの2人がまた出会えたのかなって考えたときに、好きだからだけでは会えないし、会えることに必要なのって、やっぱり運命なんだよなって。前作で描かれた2人のもっと前からずっと繋がっていたんだろうな、一緒にいられたんだろうなというのが、より伝わってきました。いろんな人との出会いもそうですし、声優からすると、キャラクターとの出会い、作品との出会いもそう。いろんなことに運命が働いていて、運命ってやっぱり決まっている。信じればそれが運命になることもあるだろうし、より運命というものを楽しめたらいいなと思いましたね。

――2作連続でオファーがあったことも、佐久間さんにとっては運命ですね。

佐久間:そうですね。そもそも、続編ができるかってわかんないじゃないですか。
続編ができて、また僕に話が来たのも運命だし、お話をもらったときにも「ぜひ!」って。ただ、やっぱ転生すると難しかったです(笑)。「こんな難しいか、転生って」って思いました。いろんな喜びと、大変さがありました。

――今回もダブル主演を務める三森すずこさんをはじめ、佐倉綾音さん、杉田智和さん、悠木碧さんとは再共演、そして武内駿輔さんとは本シリーズでの共演は初めてになります。感想を教えてください。

佐久間:初めてしっかりと声優のお仕事させてもらったのが『白蛇:縁起』だったので、そのときに一緒に携わってくださったキャストの皆さんとまた一緒っていうこともうれしいし、なんだったら俺、皆さんと違う作品でも共演してるんですよ。そこもまたおもしろいなって思います。武内くんも違う現場でご一緒しているので、顔見知りでしかなかったっていうのは、今回合わせではできなかったんですけど、お芝居自体は。佐倉さんとすずこさんだけは一緒にできたみたいなんですけど、それ以外はみんな別録りだったんです。

佐倉さんも朗読劇で一緒だし、全員違うところで共演はさせてもらっていたので、ある意味勝手はわかっていた中で、改めて実感できたのは、吹き替えとアニメ芝居はまたちょっと違うということです。アニメーションなんだけど、吹き替えだからこその質感。
作品の表現としても、アニメらしいアニメというよりもちょっと生っぽさがあるなということが一番わかりやすかったのは、佐倉さんの声でした。佐倉さんの演技の感じはいろいろなアニメ作品を観ていて分かっている中で、やっぱり他のアニメと違うんだって思いました。あとは武内くんにも同じような感覚になりました。どちらかというと“実写っぽい芝居”に寄っている“アニメ芝居”なんだなっていう感覚を知れたのは大きかったですね。自分自身がそこらへんを狙っていたので、この狙いってずれちゃってないかなって思っていたのを2人の声聞いて“よかったよかった、俺だけじゃない”っていう安心感が生まれて、うれしかったです。

――最後に、印象に残ったシーンやセリフがあれば教えてください。

佐久間:これは…ネタバレになるか…難しいなぁ。(しばし熟考後、とあるシーンをあげるも、「めちゃくちゃネタバレなんで」とのことで割愛)

でも『白蛇:縁起』を知っている人だったらわかる音楽や歌があるので、そこは僕も聞いてて「うわ懐かしい」って思いましたね。映像チェックしたときに、音って記憶が蘇るファクターになりやすいんだなっていうのをより感じられました。しかもこれ多分原音一緒だと思うので、中国で観ている方も「うわ、懐かしい」って思い出せる。それが印象的でしたね。

――前作でも象徴的な歌もありましたね。


佐久間:そうです。“初めてのキャラソン”とか言ってました(笑)。
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