俳優の鈴木亮平が主演を務める、TBS系日曜劇場『リブート』(毎週日曜 後9:00)。今回は、悪徳刑事・儀堂歩に“リブート”したパティシエ・早瀬陸(二役:鈴木)を執拗なまでに追い詰めていく、裏組織のトップ・合六亘を演じる北村有起哉にインタビュー。
演じる上で意識していること、共演者とのエピソードや今作の注目ポイントなどを語ってもらった。

■“ただの悪い人ではない” 演じながら意識向ける合六の「背景」

――北村さんが演じられた合六亘は、表向きは理知的な実業家、裏の顔は裏組織のトップという二面性のある役ですが、ご自身としてはどのような人物と捉えて演じられたのでしょうか。

合六は、おそらく多くの方が“一番悪い人物”という印象を持たれていると思いますが、僕はいつも“どんな役も同じ人間”として役作りをさせてもらっているので、今回も“ただの悪い人”ではない、そうせざるを得なかった背景にも意識を向けました。

裏組織のトップにまで上り詰めた人物なので、何度も危ない橋を渡ってきたはずですし、そういった経験則から裏切られることを見越して、先の先まで読んで自身の安全や組織を円滑に動かしていく術として、必然的にそうなったのではないか、と。そういった多角的な視点から合六を演じています。

――今作では合六が料理を振る舞いながら裏切り者を追い詰めていくシーンも見どころの一つになっていますが、そういった“食”のシーンならではのしぐさなど、特に気を配られた点を教えてください。

食事のシーンについては、その人物の“人となり”と言いますか、ある種の“品格”のようなものが出てしまうので、気を配っている部分ではあります。例えば第1話で合六が冬橋に言った「相変わらず、食い方汚ねぇな、直さねぇと上に行けないぞ」というセリフがまさにそれで、食べ方というのはその役によっていろいろと表現できる幅がある、と考えているからです。

■大河ドラマでも共演 鈴木とは互いに“気を遣わない”信頼関係

――今作は黒岩勉さんの完全オリジナル脚本で、構想に3年をかけた超力作ということも話題となっていますが、黒岩脚本の世界観やさまざまな仕掛けなど、北村さんが感じられた魅力を教えてください。

この作品はおそらく途中から見ても理解するのが難しいと思いますし、第1話から「集中して見ないと置いていくよ」というくらい、いい意味で突き放していると言いますか。あまりに(視聴者に対して)丁寧になりすぎて、(回を追う度に気持ちが)冷めてしまう作品もあるかと思いますが、黒岩さんの脚本はそういった距離感を大事にしているところも魅力です。ですから、皆さんにはその距離感に負けずに食らいついて、最後まで見ていただきたいです。


――主演の鈴木亮平さんについて伺います。北村さん演じる合六は、鈴木さん演じる儀堂/早瀬を追い詰めていく役柄ですが、現場では鈴木さんとどのようなコミュニケーションを図られていましたか?

亮平くんとは彼が主演した大河ドラマ西郷どん』(2018年)で共演した際、長い期間(撮影現場で)一緒に過ごしていました。その時に、彼のお芝居を見ていて少し気になったことは、直接本人に言わせてもらっていたのですが、これは彼の才能の一つだと思っていて。受け取り方によっては偉そうですし、言う方も面倒くさいことなのですが、彼はそれを受けてすぐにイメージして「なるほど、それいただきます!ありがとうございます」という感じですぐに吸収してくれるんです。

研究熱心というか、ゆとりもあるというか、そこもすごく魅力的な人だなと感じました。ですから僕も「言ってよかった」と思えましたし、そこからお互いに信頼関係を積み重ねていった経緯もあったので、今回も特別、お互いに余計な気を遣うようなことはなかったです。撮影現場で僕が少しふざけても「今そういう時間じゃないんで」と返されて「すみません」という感じでした(笑)。

■初対面だった永瀬廉と藤澤涼架に感じた“ただならぬ雰囲気”

――役柄上、部下役の方々とのシーンも多かったと思いますが、幸後一香役の戸田恵梨香さんの印象はいかがでしたか?

戸田さんは都度立ち止まって状況を整理しながら、監督と相談して撮影に臨まれている姿がとても印象的でした。このドラマは設定や物語の展開が複雑な上に、撮影する順番もかなりバラバラだったので、僕も「これ何の時だっけ?」と混乱することもよくありました。ですが彼女はそれもきちんと把握した上で、ポイントをバシッとつかんだお芝居をされていたので、さすがだなと思いました。

――冬橋航役の永瀬廉さん、霧矢直斗役の藤澤涼架さんのお二人についてはいかがだったでしょうか。

永瀬さんは合六と冬橋の出会いのシーンを撮影した最初の頃、まだ彼が誰かを知らなかったのですが、すごく雰囲気のある方だなというのが第一印象でした。
そのすぐ後に、彼が「King & Prince」のメンバーだと知った時は「やっぱり!」と(笑)。今回のようなバイオレンスな役は初めてと聞きましたが、すごく冬橋の雰囲気にピッタリなのではと思いました。

藤澤さんも最初にご一緒した際に、俳優とは異なる雰囲気をまとわれていたので「この方は一体何者なんだろう?」と思っていました。いつも腰が低くてお芝居もすごく一生懸命されていたので、ずっと気になる存在として意識していたのですが、彼が「Mrs. GREEN APPLE」のメンバーだと知ったのは結構時間がたってからでした(苦笑)。

■北村有起哉が語る本作最大の見どころは? 主演・鈴木が演じる“二重構造”

――最後に、今後にかけての見どころ、注目して見てもらいたいポイントを教えてください。

僕としては、このドラマの全編を通して一番の見どころだと思うのは、やはり亮平くんの複雑な役柄とシチュエーション下でのお芝居です。拳銃を扱うシーン一つでも、儀堂の時とリブート後の早瀬の時との微妙な違いも面白いですし、何よりも亮平くんが早瀬を演じて、さらに早瀬が儀堂を演じているという二重構造がすごく面白いと思います。

早瀬が儀堂を演じ続けていることによって、いつの間にか人格も儀堂に“浸食”されていくようなシーンもあるのですが、そういったところもすごく見応えがあると思うので、ぜひ最後まで見届けていただきたいです。
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