本作は、年齢も性格もバラバラな“孤高のプロの殺し屋たち”が、裏社会のトップ・本条会のクセ者親分が必ず訪れるダンス大会での暗殺をもくろみ、チームを組んで大会の出場を目指す物語。経験ゼロ、協調性ゼロ、やる気もゼロなデコボコ即席チームが本気のダンスに挑む、先の読めないオリジナルストーリーが展開される。
■“殺し屋×ダンス”という異色の挑戦
殺し屋でありながらダンス大会に挑む。そんな異色の設定を持つ映画『スペシャルズ』で、中本が演じるのは、過去にある傷を負い群れるのを嫌うクールな殺し屋・桐生。クールな佇まいの奥に、わずかな揺らぎを宿した難役に挑んだ中本は、本作との出会いについて、「直感的に面白そうだと感じた」と振り返る。
「昔から殺し屋や少し変わった役に挑戦してみたい」と思っていたという中本。殺し屋役だと聞いた瞬間、「『ついに来た!』と思った」というが、台本を読んでダンス要素があることを知り、良い意味で裏切られたという。そして、不思議な設定を含めて強く惹かれ、出演を決めた。
本作のユニークさは、その心情変化がセリフだけでなく、ダンスでも表現される点にある。中本は「(桐生は)最初は適当に踊っている感じだったのが、回を重ねるごとに、心から楽しいと思って踊っているように見える。
殺し屋役ということで、アクションシーンにも挑戦。「銃を持つときに指が上がっちゃう癖があるなとか、気づくことも多くて」と自己分析し、向上を重ねた。「かっこ良く撮ってもらえた」と感謝しつつ、「完成した映像を見ると、肩に力が入ってるなと」と絶えない向上心をにじませ、「何より楽しく取り組めました」と振り返った。
■Snow Man佐久間大介から刺激を受けた“考える姿勢”
椎名桔平、小沢仁志、青柳翔ら経験豊富な俳優陣からは、言葉以上に背中で学ぶことが多かったという。ワンフレーズで引き込まれる感覚や、にじみ出る深み、渋みといったものを間近で感じ、俳優という仕事の奥深さを実感したそうだ。
そうそうたるキャストに囲まれ、当初は緊張もあったが、現場は終始和気あいあい。ダンス練習で膝が動かず嘆く人がいれば笑いが起き、ダンスをしながらの芝居ならではのハプニングも。ラーメンを食べるシーンの前には、替え玉をするほど本気で臨む椎名の姿もあり、作品同様、チーム感の強い現場だったという。ダンスのある作品だからこそ、待ち時間も自然と集まり、楽屋に戻らず、一緒に過ごすことが多かったと振り返る。
佐久間大介とは、同じアーティストとして通じ合う部分も多かったという。
さらに、「Snow Manのバラエティー番組に一緒に出よう」と声をかけられたこともあったと明かす。ドームツアーにも行きたかったが、スケジュールが合わず断念したことを、残念そうに語った。
本作を通して、中本の中で演技に対する考え方にも変化が生まれた。これまでは「自分の中にある喜怒哀楽の感情からひとつを引き出して演じる感覚が強かった」が、今回は「より振り切った表現や、外側から作り込む作業の必要性を感じた」という。「さまざまな役に挑戦してみたい」という思いも強くなった。
■中本が呼び込む“新しい風” 俳優として、アーティストとしての現在地
最近“スペシャル”だと感じた出来事として挙げたのが、所属事務所の合同コンサート『SMTOWN LIVE』福岡公演でソロステージを披露できたこと。デビュー10年目でのソロ実現となり、「自分でも大きな快挙だと思います」と達成感あふれる笑顔に。「異なる音楽のフィールドの中でロックな新しい風を吹かせることができたのではないかと感じています。久しぶりに『やってやったな』と思えた瞬間でした」と充実感をにじませた。
ソロアーティストとして立った日本武道館のステージも、忘れられない経験となった。「ドームやアリーナとはまた違う、神聖さを感じる空間で、客席が上まで埋まり、ファンの歌声が大きく温かく響いたことに感動した」という。
2026年に向けては、「ソロでは、もっともっとがむしゃらにロックだからこそ表現できる荒々しさを追求したい」と気合十分。NCT 127のメンバーからは「頑張ってるね」「映画もうすぐ出るんだね、見るよ」と声をかけられ、ソロ活動や俳優業についても常に応援されていると話す中本は、グループへの想いも人一倍。「ソロでの発声でグループ活動をしちゃうと、ちょっとガラってなっちゃって、チームの色が変わってしまったり、いろいろあるんです。そういうところも自分の課題」と冷静に分析し、「チーム活動も下半期からまた始まるんですけど、NCT 127を待ってくれてたファンの皆さんに新しいNCT 127を見せる絶好のチャンスだと思うので、しっかり形にして、世界中のファンのみんなに会いに行きたいなと思ってます」と意気込んだ。
取材中には、「崖の上のポニョ」を美しい口笛で奏でつつ、次の瞬間には力強いまなざしでカメラを見据えるというギャップも見せた中本。去り際にはスタッフ一人ひとりと目を合わせ、「ありがとうございました!お疲れさまです!」と爽やかにあいさつ。俳優としても、アーティストとしても進化を続ける中本悠太の挑戦は、これからも新しい風とともに広がっていきそうだ。

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