本展では、大阪・関西万博で紹介された「家庭で作る霜降り肉」「心筋シート」「ミライ人間洗濯機」などの実物展示を、改めて公開。また、“こみゃく”が生まれるきっかけともなった、万博の「デザインシステム」についてひも解くほか、若手建築家が担当した意欲的で常識にとらわれない施設建築における挑戦を紹介する。
「未来社会の実験場」として開催された、大阪・関西万博。会場で注目を集めたさまざまな先端科学技術のなかから、未来の食やヘルスケアに関する実物展示を会場に集める。
東京初公開となる「家庭で作る霜降り肉」は、本物の和牛の細胞を培養し、3Dバイオプリント技術により作製された「霜降り肉」。未来の食に関する課題解決の一つとして注目されている。そのほか、未来館などが開発を進める自律型ナビゲーションロボット「AI スーツケース」も展示する。
SNSを中心に、“こみゃく”と呼ばれる市民による二次創作が大きな話題となった今回の万博。SNSにおける盛り上がりは、万博を身近に感じ、積極的に関わる雰囲気をつくる一つのきっかけともなった。このような市民の関わり方を実現させたのは、“開かれたデザイン”をコンセプトに掲げる万博の「デザインシステム」の存在と、制作の中心となったクリエイティブディレクター・引地耕太氏による積極的な発信だった。
本展では、引地氏がデザインシステムを提案した際の貴重なプロポーザル資料や、万博のデザインに関わる出来事をまとめた年表など、デザインシステムが生まれるプロセスを紹介します。“参加と共創をうながすプラットフォーム”としての役割を果たしたデザインシステムのユニークさに注目し、積極的な市民参加をうながすための、新しい公共的な取り組みのあり方を考える。
さらに、「多様でありながら、ひとつ」という会場コンセプトを見事に具現化した「大屋根リング」は、万博を象徴する建築として、大きな注目を集めた。一方、万博会場内に設置された休憩所やトイレなどの施設では、若手建築家による建築の常識にとらわれない大胆な挑戦もあった。本展では、大屋根リング設計者 藤本壮介氏の設計コンセプトを映像で公開するとともに、若手建築家が担当した3つの施設建築を紹介。石という素材を通して“コスパ”を再考する挑戦や、1970 年の万博で活用された建築技術「空気膜構造」の再解釈、また万博終了後の効果的な活用を念頭に置いた設計コンセプトなど、建築の観点からも未来社会につながる実験的な取り組みが展開されていたことを紹介する。

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