朝日放送テレビ(ABCテレビ)が2025年1月19日に放送した『阪神淡路大震災30年特別番組 あの時から今へ ~私が撮った1.17~』がこのほど、関西の制作プロダクションが制作した番組や制作者を表彰する「第13回ATP上方番組大賞」でグランプリを獲得した。

 同番組は、ABCテレビのグループ会社であるエー・ビー・シーリブラが制作を手掛けた。
2025年1月17日、阪神淡路大震災は30年の節目を迎えた。朝日放送テレビには被災直後の様子を視聴者自身がホームビデオで撮影した「視聴者提供映像」が保存されている。それは42人から集まった約10時間分。テレビカメラでは立ち入れない場所、そしてスマートフォンはもとより、ビデオカメラですらそれほど普及していなかった時代での撮影は大変貴重なもの。特別番組では映像撮影者を訪ね、震災発生から7年後に生まれた佐野晶哉(Aぇ! group)が、発生直後に視聴者が撮影した映像をもとに、撮影当時の話やその後の30年をどう生きてきたのか、その人たちの人生に向き合い、これまでの30年を振り返った。そして若い世代へどう伝えていくべきなのか、震災を語り継ぐことの大切さを届けた。

 審査講評では「震災から30年、記憶と証言を丁寧に紡ぎ、被災スタッフの視点と佐野さんの誠実な眼差し、上野さんの温かみあるナレーションが重なり、震災の恐怖や混乱を確かに伝えながら、後世に受け継ぐ価値を示した作品です」とした。

【コメント】
■エー・ビー・シーリブラ・繁澤亮(総合演出)
「映像提供者の今」を取材してくださった佐野さん。この立場に対する彼の覚悟が本当に強く、心からこの番組と向き合ってくださったのが印象的でした。
カメラが回っていない時間も、取材でお世話になった方々から震災の話を聞いてらっしゃって、だからこそ取材中、佐野さんに対して出してくださる表情や言葉があったのだと思います。
そして、40名以上の方々が当時提供してくださった10時間におよぶ震災直後の映像がこの番組の見どころでもあるのですが、番組のライブラリーチームがその仕事の範疇をはるかに超えて、映像提供者と連絡を取り、この30年をどう生きてきたかの膨大なリサーチを行い、時には会いに行き信頼関係を築いてくれたからこそ形になった番組です。
素晴らしいタレントさんと素晴らしいチームで作った番組、このような形で評価していただけたことがとてもうれしく、誇りに思います。


■朝日放送テレビ・森崎恵美(プロデューサー)
震災の記憶を語り継ぐことが関西のテレビ局の使命です。震災から30年を超えた今、若い世代にその意識をつなぐ機会を作っていかなければならないと感じています。番組取材を通じて、震災を知らない世代である佐野晶哉さんやディレクターたちが、震災経験者の方々の声に直接向き合い、思いに寄り添う姿がありました。その「真摯に話を聞く姿」が評価され、大変誇らしいです。
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