サンリオと、『gelato pique(ジェラート ピケ)』などで知られるマッシュグループが、サンリオのキャラクターを軸とした新ブランドオフィシャルストア『sanrio house(サンリオハウス)』を発表。3月6日(金)に1号店をオープンする。
協業の意図について、株式会社サンリオ代表取締役社長・辻朋邦氏、株式会社マッシュスタイルラボ代表取締役社長・近藤広幸氏に聞いた。

■“笑顔時間の創出”を提供、「少し離れている層にも、“ライフスタイル”の切り口から再度触れるきっかけに」

 『sanrio house』は、サンリオが監修し、マッシュグループが企画・運営する新たな事業として、アパレル、ビューティーアイテム、ホームグッズなど幅広い商品カテゴリーを展開。3月6日(金)に東京・ルミネ新宿 ルミネ2に1号店をオープンしたのち、5年間で順次店舗を拡大していく予定だ。

 株式会社マッシュスタイルラボ(マッシュグループ)は、ファッションブランド『SNIDEL(スナイデル)』をはじめ、ルームウェアブランド『gelato pique』などグループで全51ブランド、マッシュスタイルラボで全23ブランドを国内外で展開。今回の協業の背景について両社は、「企画力・デザイン力に優れ多岐にわたるモノづくりの経験をもつマッシュグループと、創業以来、心を贈り心を伝えるビジネスを推進するサンリオが協業することで、『sanrio house』をきっかけにお客様の日常を笑顔で彩ることを目指します」としている。

 現在、サンリオショップは全国に149店舗。また、自社オリジナルのキャラクター商品はもちろん、ライセンスビジネスも幅広く展開しているサンリオでは、さまざまなジャンルのグッズを販売していることは周知のとおり。今回、あえて新ブランドオフィシャルストアを立ち上げた狙いはどこにあるのだろうか。

 オリコンニュースの取材に対しサンリオ・辻氏は、「ライフスタイル全般に感度の高い女性を主なターゲットとして、マッシュグループの“クリエイティブ力”×サンリオの“デザイン力”によって時代のトレンドに合わせた多様な表現・見せ方をすることができ、既存の熱心なサンリオファンの皆さまにはキャラクターの新たな魅力を、そしてすべての方に“笑顔時間の創出”を提供できると考えている。あわせて、現在サンリオキャラクターから少し離れている層に対しても、キャラクター軸ではなく新たに“ライフスタイル”の切り口から、サンリオキャラクターに再度触れていただくきっかけとしたい」と回答。

 オリジナル/ライセンスグッズとの差別化についても、「マッシュグループの“ブランド力”“洗練されたデザイン”“上質感のある商品力”を最大限に表現していただき、ファッションやアートの要素を取り入れた、細かい部分にこだわりを詰め込んだ商品化を予定。オリジナル商品との棲み分けはできると考えている」と語った。


 一方、マッシュスタイルラボは、以前、個別のブランドでサンリオキャラクターとのコラボを実施したこともある。今回、コラボにとどまらず、『sanrio house』を立ち上げた理由について同社・近藤氏は、「サンリオの世界観は単発では表現しきれないほど魅力的で、夢のある世界観でお客さまに対してきちんと実現したかった」とのこと。「単発コラボよりも、新ブランドとして世界観を徹底的に描いたほうが、お客さまにとってはるかに楽しんでいただけると確信していた」と述べている。

 また、『sanrio house』のローンチに合わせて、初めて『gelato pique(ジェラート ピケ)』とサンリオキャラクターとのコラボレーションを実施。「定期的に発表し、『sanrio house』でご購入いただけるスペシャルコレクションとして展開していく」という。

 近藤氏自身、サンリオのキャラクターは幼少期から身近な存在だったとのことで、「グラフィックやデザインの勉強をしている時代から、その統一された世界観に圧倒され、リスペクトし続けており、いつかは協業できたら素敵だなという気持ちでいた」という。「キャラクター商品でありながら、誰にとっても受け入れやすく愛されるアイテムやデザインが目に映る。幅広いキャラクターたちを抱えていることも大変魅力的である」と、深いリスペクトを明かす。

 また、同社では「徹底的にサンリオのキャラクターや世界観を愛している企画チーム・デザイナーをはじめ、“好き”があふれている運営スタッフが社内に揃っている」とし、それがブランドストアを企画・運営する強みになると語る。

 「『sanrio house』はキャラクタービジネスではなくファンビジネスであり、社内にサンリオファンが多いからこそ、それが強みにもなると考えている。ファンの気持ちにとことん共感しながら、喜んでいただけるブランドとして発信したい。マッシュグループのファッション、コスメ、フードなど、多岐にわたるモノづくりの経験や、これまでに手掛けてきたIP・ライセンス事業の知見を生かしながら、サンリオの世界観やそれぞれのキャラクターへの深い理解を通して、高い企画力ときめ細かなデザイン力を結集し、世代を超えた多くのファンに喜んでいただけるものやニーズに挑んでいきたい」(マッシュスタイルラボ・近藤氏)。


 近年、世界中でさまざまなキャラクターが生まれ、ときには大きなブームを生み出している。だが、こと国内では少子化などの影響もあり、キャラクターの捉え方も変化。そうした中で、今回のような新たな協業は、どんな役割を担うのだろうか。

 「かつてはキャラクターというと子どものものというイメージも強かったかもしれないが、今は大人を含め幅広い層の方々に愛着を持っていただいている。それに合わせて、商品やサービスは変化していく必要があると考えており、さまざまな取り組みを進めていく」(サンリオ・辻氏)

 サンリオは昨今、グローバルエンターテイメント企業としてデジタル分野にも力を入れているが、もちろんキャラクターグッズやショップなどを疎かにしているわけではない。

 「デジタル分野に完全にシフトするわけではなく、リアルである物販・ショップの内容はもっと充実させていくことが重要だと考えている。デジタルの力を活用して新しいブランド価値を作っていくということに、今は注力している」(サンリオ・辻氏)

■ファッションも「“共感”や“物語性”が購買の意思決定に影響」、キャラクターとのコラボの意味

 またファッションにおいても、若年層の減少や購買行動の変容も見られる。他ジャンルとのコラボレーションなどを目にする機会も増えたが、やはりこうした付加価値がキーワードとなるのだろうか。

 「キャラクターとのコラボレーションでしか表現できない、クリエイティブや楽しさがあると考えている。キャラクターは世代や国境を越えて共通の感情や記憶に訴求できる存在であり、ブランドが持つメッセージやスタンスを、直感的かつ親しみやすく届けることができる。昨今において、デザインや価格だけでなく“共感”や“物語性”が購買の意思決定に大きく影響しているが、キャラクターとのコラボレーションはそうした感情的な接点を生み出すことが可能。一過性のコラボに終わることなく、ファンとの関係性を深めるきっかけとすることが重要だと考える」(マッシュスタイルラボ・近藤氏)

 キャラクターとファッション、ライフスタイル。
目まぐるしく環境やカルチャーが変わる現代において、両社の協業が新たなシナジーを生み、ユーザーにとっての新たな価値や楽しみを生み出すことになりそうだ。

 オリジナルのグッズ同様、『sanrio house』の商品もおそらく人気が沸騰し、手に入れにくい状況も予想されるが、辻氏は「オープンからしばらくは店頭で安心してお買い物をお楽しみいただけるよう、sanrio house公式LINE経由での来店予約制を予定している」と述べている。近藤氏も、「マッシュならではのアイディアやオリジナルデザインにチャレンジしたい。その新たなチャレンジが少しでもお客さまの楽しみや刺激につながったら本望であると考えている」とのこと。

 『sanrio house』のコンセプトは、「Kawaii2(かわいいの二乗)といつもいっしょに」。1号店は、3月6日(金)に東京・ルミネ新宿 ルミネ2の2階にオープン。オープニングアンバサダーは、お笑い芸人の渡辺直美が起用されている。

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