RIZAPグループは12日、2026年3月期第3四半期連結業績(10~12月)決算を発表し、収益力向上により営業利益は前年同期比15倍の76.8億円となった。昨年発表されたフランチャイズ事業は、新店舗と直営店譲渡の両軸で32店舗展開。


◆chocoZAP事業が牽引し第3四半期は76.8億円 本格開始後3年目で先行投資回収を完了

 2026年3月期第3四半期累計での売上は1245億円、収益力向上により営業利益は前年同期比15倍の76.8億円。前年同期比で約72億円の増益は、chocoZAPの収益力向上が大きく寄与し、前年同期比34倍の46億円(プラス44.8億円)となった。

 これまでchocoZAPは、成長と利益を支える「無人運営エコシステム」の確立に力を入れてきた。定期巡回専門スタッフの巡回型運営モデルにより省人・省力化を実現。清掃水準最適化をはじめ、内製化による外注費や荷造り運賃の削減、生成AIやIoT遠隔システムを活用した店舗環境の向上とコストの効率化を両立し、営業利益4.6倍を実現。「通常入会」の退会率は改善傾向にあり、サービスの一部供給遅延を解消し、顧客満足度向上へと繋がった。

◆直近1年はあえて出店制限も…急がず進めたchocoZAPのFCモデル

 現在、chocoZAPは全国に1800店舗以上を展開し、会員数は110万人。今後は出店加速でも利益率は落ちない、直営とFC(フランチャイズ)の二刀流で国内8000店舗を目指す。このFC事業には、2026年1月末時点で1682件の問い合わせが寄せられている。

 かつての「高級食パン専門店」ブームを象徴とする、短期間での爆発的な店舗網拡大は、メディア露出を契機としたFC加盟希望者の殺到が、結果として「オーバーミート(過剰出店)」の状態を誘発した。運営側の管理能力を越えた出店ペースにより、人手不足や品質管理の不徹底が露呈。3年目を境にサービスの質にバラつきが生じ、市場は急速に飽和状態となる。
流行に敏感な層が次なるトレンドへと移行する一方、固定費と人件費の重圧や、生活習慣の一部として定着できず終焉を迎えた事業も多い。

◆「chocoZAP」8000店舗計画へ 地域共創型を軸に始動したFC、その勝算は?

 一方のchocoZAPは、スタート当初はあえて直営店にこだわり、急速拡大とともに地盤を固めた。「1日5分のちょいトレ」を掲げ、365日24時間無人の着替え不要で気軽に通えるコンビニジムとして、その手軽さからジム通いをしてこなかった層の獲得に成功。2024年後半から2025年は、新規出店をあえてコントロールし、既存店の満足度向上に注力。拡大スピードの鈍化を懸念する声も少なからずあったが、拡大の踊り場から、盤石な収益化のステージへの助走期間が功を奏した。今回chocoZAP事業開始から通算で179億円の超過FCF(フリーキャッシュフロー)を達成し、同事業の先行投資回収が完了した。

 今期はこれまでの直営ノウハウを解放し、地域共創型のFC展開を本格的に始動。昨年12月にFC1号となる安曇野穂高店(長野県)を、今年1月に犬山駅前店(愛知県)をオープン。安曇野穂高店は、オープン1.5ヵ月で548人と損益分岐の客数をクリアしている(1キロ平方メートル当たり289人/安曇野市)。

 現在、6法人より計84店舗の加盟意向表明があり、その内、32店舗は運営に向けて進行中。内訳としてはFC新店舗が13店舗(オープン済:2店舗、準備中:11店舗)、既存直営店のFCへの譲渡が19店舗。2026年度の出店戦略としては、FC比率50%への移行により、低リスク・高収益な事業体質を確立していく。


 また、chocoZAP木曽岬町店(三重県)のような人口密度50人(1キロ平方メートル)の過疎地でも採算を取れることを直営店で立証されている。その直営店で培った従来モデルにFCが加わり、相乗効果で投資効率を高め、利益率を維持した出店を加速させていく予定だ。

◆アジア中心に海外出店も加速へ ローカライズに成功した“香港”で急拡大

 このほか海外展開では、オールインクルーシブ型フィットネスジムにより初心者を惹きつけ顧客化に成功し、香港市場で好調な動きを見せている。現在7店舗(2月12日現在)運営しており、来月には全部で19店舗出店予定。既存のchocoZAPサービスだけでなく、EMSや美白美顔器など、日本にはない現地ならではのサービスも導入されローカライズに成功。

 現在は香港のほか、アメリカ1店舗、台湾1店舗を運営。今後は、2月にシンガポール、3月にマレーシアで開業し、タイやベトナム、韓国といったアジア全域への横展開が予定されている。
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