■「エアあややはマインドがすべて」直接指導で見えた表現の本質
――今回、1980~90年代のヒットソングが物語の中で重要な役割を担っていますが、当時を知らない世代として、望月さんはどのような印象を受けましたか?
【望月】 私はその時代を実際に知らない分、かえって作品の世界に入りやすかったと感じています。曲そのものもひとつのアートだと思っていて、歌詞やメロディー、ニュアンス、そして“匂い”のような空気感に触れるたび、この作品を通して初めて出会う思い出が重なっていきました。
「赤道小町ドキッ」や「SWEET MEMORIES」も、本当にピュアでフレッシュな記憶として自分の中に入り込んできて。撮影期間中は、きっとアイちゃんが当時聴いていたのと同じくらいの回数を聴いていたんじゃないかなと思うくらい、繰り返し耳にしていました。そうした体験が重なって、私にとってもすごく印象的な時間になりました。
――斎藤さんにとって、劇中の楽曲はいかがでしたか?
【斎藤】完成した作品を観ると、楽曲や歌詞の意味が物語とともにさらに深まっていく感覚があります。同じ曲でも、ストーリーとリンクすることで受け取り方が変わるんですよね。
当時を知る世代にとっては“ど真ん中”の楽曲ですが、逆にその時代を知らない方には、キャッチーさやメッセージの強さ、反復されるサビの魅力が新鮮に響くと思います。世界配信ということもあり、この12曲がどんなふうに届くのか、ミュージカル的な要素も含めてとても楽しみです。
和田医師の物語には社会的なテーマもありますが、楽曲や望月さんの身体表現によって、エンターテインメントとして包み込まれている印象があります。そこがこの作品の大きな強みだと感じています。
――劇中の歌やダンスパフォーマンスはいかがでしたか?
【望月】基本的にはるな愛さんの“エアあやや”をリスペクトした演出なので、撮影もエア芸のような形で行いました。口パクで、踊りも一部スローモーションになるなど、すべてエア芸として表現しています。
特に“エアあやや”は本当に大変で、愛さんから直接指導していただきました。単にダンスを踊るだけではなく、マインドがすごく大事なんです。3階席、4階席まで届ける気持ちや、会場全体を巻き込んで“今を生きる”という精神。その大切さを教えていただきました。
観てくださる方が笑顔になれるよう意識しながら挑んだので、ほかの楽曲とは違う意味で特に力を入れたシーンになっています。とはいえ、ダンスそのものはとにかく楽しくて仕方なかったですね。
■斎藤工が語る初対面の印象「この人が中心で作品が動く」
――共演してみての印象は?
【斎藤】共演してというよりも、初めてお会いした瞬間に、望月さんのエネルギーに圧倒されました。その輝きがプロジェクトを前に進めていくんだろうなと直感したんです。
同じシーンで向き合った時間だけでなく、僕自身もある程度スケジュールを把握していたので、「今はこういうシーンに向き合っているんだな」と想像することも多かったですね。撮影期間中に期末テストもあって、学校との両立をしながら十数曲の振り付けを覚え、覚悟のいるシーンにも挑んでいて、本当に多くのものを背負いながらカメラの前に立っていた。その姿を、同業者というより一人の人間として応援していました。
おそらく、実際の和田先生と上京した愛さんも、直接会ってはいないけれど、寄り添っていたんだと思います。距離があるからこそ生まれる“言葉にならないやりとり”があったはずで、僕自身も望月さんに対して、そういう気持ちを強く抱いていました。
【望月】私も本当に同じ気持ちで、実際に会っていないシーンや、同じ場所にいない場面でも、斎藤さんが演じる和田先生のことをずっと考えながら撮影に向き合っていました。自分自身の感情にも重ね合わせるように、その時間を生きていた感覚があります。
斎藤さんの雰囲気や気持ちは、和田先生の存在とすごく重なる部分があって、例えるなら、アロマオイルのような感じなんです。形はなくてつかめないけれど、香りのようにふわっと漂ってきて、やさしく包み込んでくれるような感覚。「冗談酒場」のステージ上から和田先生と目が合った瞬間、すごく引き込まれたんです。
――アロマの例えが素晴らしすぎて、聞いているだけで感動しました。
【斎藤】本当に秀逸な例えがどんどん出てきますよね。センスの塊というか、才能の塊だなと思います。
【望月】ありがとうございます。
■「誰かになることは、自分になること」望月春希の気づき
――オーディションで「自分にしかできない」と感じた瞬間は?
【望月】最初に脚本を読んだとき、“やっと好きだと思える花を見つけた”ような感覚があって、「自分の“好き”ってこういう輪郭なんだ」と気づけた瞬間でもあったんです。不安やプレッシャーは本当にゼロでした。期待と希望しかなくて、「この言葉は自分が伝えなきゃいけない」と強く感じました。希望100%で挑んだオーディションだったと思います。
――斎藤さんにも、振り返るとそんな時期がありましたか?
【斎藤】僕も高校2年生くらいからモデル活動を始めたり、若気の至りを自覚しながらバックパッカーをしていた時期があって、「今しかできないことをやろう」と“夢の地図”みたいなものを広げていました。怖いもの知らずでしたね。
でも、望月さんは、夢のスケールが大きいし、それを実現するための現実的なビジョンがすごく高い解像度で見えている。
【望月】ありがとうございます。
――ご自身でも「何かになりたい」と思ったことはあったのでしょうか?
【望月】何か特定の“何者か”になりたいと思ったことは、あまりなかったんです。むしろ、ずっと「私は私になりたい」という感覚が強くて、特定のロールモデルがいたわけでもありませんでした。
でも、この作品に出会って初めて「アイになりたい」と思ったんです。アイという存在に向き合う中で、最初は憧れもあって、いろいろともがきました。アイちゃんが見てきた景色を想像したり、匂いを感じようとしたり。でも、どこか違うなと感じていて。それは、自分自身がまだフラットな状態ではなかったからなんだと気づきました。
アイになるということは、自分になるということなんだ――そう感じながら撮影に向き合っていきました。だからこそ、伝えたいエネルギーのようなものも強くなっていった気がします。
――まさに『This is I』ですね。最後に、作品へ興味を持つ読者へメッセージを。
【斎藤】「This is I」というタイトルの“ I ”は、最初は誰かの物語を客観的に見ているところから始まるかもしれません。でも物語が進むにつれて他人事が自分事に変わっていく。そんなグラデーションを描いた作品です。メインビジュアルやティザーのポップさをきっかけに、少しでも気になったら出会ってほしい。そしてそれが、観ている“自分自身”と向き合う時間につながればうれしいです。
【望月】私が伝えたいのは、実は“壁”なんてないんじゃないかということ。迷いや苦しさも含めて、すべてがプレゼントなんだと思います。この作品は、夢を追っている人や「明日こそは」と思っている人の背中を押してくれる物語です。もし、私が演じた“アイ”が皆さんの心の中で生き続けられたら、誰かにとって大切な作品になれたら、それが私の願いです。
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