「助けてくれー!」。勢いよく、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の舞台上に飛び出してきた爆笑問題太田光が、客席に降りていくと、明石家さんまが「カッコよく登場したいねん!」とツッコミを入れて、会場がどっと沸いた。
6日・7日に行われた『TITAN LIVE 30周年記念公演~タイタンシネマライブも100回記念!~』初日の“大トリ”を務めた、さんまと太田による漫才コンビ「古希還暦」の冒頭だ。爆笑問題、ウエストランドらを擁する芸能事務所「タイタン」によるお笑いライブ「タイタンライブ」が30周年を迎え、2日間通して盛大なライブとなった。

 『タイタンライブ』は、1996年2月、銀座「SOMIDOホール」(現在は閉館)からスタート。2006年には、会場を東銀座「時事通信ホール」に移し、09年には、『爆笑問題 with タイタンシネマライブ』として全国のTOHOシネマズ映画館での生中継をスタートさせた。これまで立川談志さん、ビートたけしをはじめ、数々の大物がゲスト出演を果たしてきた。

 そんな同ライブの30周年とシネマライブの100回を記念して、2日間にわたって記念ライブを開催。大きな目玉のひとつなったのが、さんまのゲスト出演だった。さんまと太田をめぐっては、さんまが還暦を迎えて引退を決意していた時に、太田が「人気が落ちないまま引退するのはカッコよすぎるから、落ちるところを見せてください」と翻意させたことでも知られる。2024年に刊行された太田の著書『芸人人語』では、さんまとの出会いが記されているが、太田の新人時代から長きにわたって交流がある。

 そんなさんまと太田が、昨年10月に放送されたTBS系大型特番『お笑いの日2025』で漫才コンビ「古希還暦」として登場し、漫才を披露。今回のタイタンライブでも“再結成”が期待されていたが、当日までさんまがどのような形で出演するかについては伏せられていた。

 当日、ライブが進行していく中で「おっ!」となったのが、出番順だ。
通常のタイタンライブでは、爆笑問題が大トリを務めて、エンディングトークに流れていくが、この日は「爆笑問題」→「ウエストランド」→「古希還暦」という出順に。ウエストランドの井口浩之は、コンビのYouTubeで「爆笑問題の後にネタやるって、どんなネタを作ればいいんだ」との重圧を口にしていたが、この出番順にも、さんまと太田をつなぐ“物語”がある。

 前述した『芸人人語』では、太田がさんまとの関係性について記した「笑いは戦場」という項目がある。その中で太田は、ウエストランドが『M-1グランプリ2022』優勝を果たした時、さんまが司会を務める日本テレビ系バラエティー特番『行列のできる法律相談所正月スペシャル』の収録現場であったことを明かしている。収録合間に、共演者たちからウエストランド優勝を祝福された太田が、休憩終わり、スタジオのひな壇の席につくと、さんまがわざわざ駆け寄ってきて、小さく「太田、おめでとう」と口にしたことなどが、いきいきと書かれており、太田はウエストランドへの感謝とともに「意味のないことをやり続けて良かった」との気持ちをしたためた。

 今回の『タイタンライブ』を前にした取材会で、太田は30年続けてきたことで“得たもの”について向けられると、こう答えた。「M-1チャンピオン、M-1の敗者復活出るようなのもいるし、童貞もいる(笑)。我々が得たといっていいかわからないけど、幅が広がったというのは一番大きいんじゃないかな」。そうしたことを踏まえて、初日の出番順を見ると、感慨深い並びになっていた。

 そんな感慨もおかまいなしで、古希還暦は大暴れ。さんまとのアドリブの連続に、太田も気持ちよくなって「これ、単独ライブで全国回りましょう」と口にするほど、爆笑の連続で、圧巻の漫才を披露。34分あまりが経過したところで、田中裕二が「長い!」とたまらず登場し、まさかの“トリオ”結成で、往年のトリオ芸人たちへのオマージュも相次ぐなど、映画館の中継ギリギリとなる45分間にわたる圧巻の漫才を見せた。


 エンディングトークで、さんまはタイタンライブ30周年にコメントを寄せた。「爆笑問題、続けているのはすばらしいよ。若手のためにも、ほかの事務所の方のためにも…」。ライブ前後の怒とうの日々については、TBSラジオ『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』(毎週火曜 深1:00 番組の模様は放送後1週間以内はradiko聴取可能)でたっぷりと話されているが、これからのタイタンライブについても楽しみにしたい。
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