フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」が来日する大阪中之島美術館の展覧会の名称が『フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日』に決定した。さらに、フェルメールの「ディアナとニンフたち」の出品も決定。
マウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメール作品3点のうち、2点が日本で見られる貴重な機会となる。

 同展は、17世紀オランダ絵画を代表する画家ヨハネス・フェルメール(1632~1675年)の傑作「真珠の耳飾りの少女」を中心とし、17世紀オランダ絵画を紹介する展覧会。「真珠の耳飾りの少女」は、約120万人が来場した2012年の『マウリッツハイス美術館展』以来、実に14年ぶりの来日となる。

 同作は、オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館が所蔵する世界的名画で、原則として館外への貸し出しはされていない。今回の来日はマウリッツハイス美術館の改修工事による臨時休館に伴い実現することとなった。

 同館のマルティネ・ゴッセリンク館長は「当館には毎年、フェルメールの『真珠の耳飾りの少女』を愛する何千人もの日本人観光客が訪れます。当館にとって、この『少女』の旅は、日本の皆さまに彼女を送り届けられる、おそらくは最後となるであろう特別な機会です」と話す。

 このほか、17世紀オランダ絵画の重要作品であるヤン・ステーン「老いが歌えば若きが笛吹く」、パウルス・ポッテル「水に映る牛」、マリア・ファン・オーステルウェイク「装飾的な壺の花」なども合わせて展示する。

 展覧会は2026年8月21日~9月27日の会期で大阪中之島美術館のみでの開催となり、他の地域への巡回はない。

■ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
少女がこちらを振り向いているだけなのに、きらりと光る瞳や半開きになった濡れた唇、大きな真珠のイヤリングが見る者をとらえて離さない。「世界でもっとも有名な絵のひとつ」とされ、世界中の人々を魅了してきた。幻想的な東洋風のターバンと、当時の衣装をまとったこの少女の像は特定の人物の肖像画ではない、トローニーというジャンルに属する。
モデルは画家の娘だという説もあったが、謎である。「IVMeer」というサインがあるが、制作年などは不詳。色彩は青と黄色のみにほぼ限定されているが、青はラピスラズリから作られたウルトラマリンという非常に高価な絵具が用いられている。以前は「青いターバンの少女」とも呼ばれてきたが、2003年の映画『真珠の耳飾りの少女』のヒットにより、このタイトルでよばれるようになった。

■ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」
寡作であったフェルメールのもっとも初期の作品で、神話に題材をとった唯一の作品である。ローマ神話の月と狩猟の女神ディアナが、侍女たちのニンフ(森の精)に足を洗わせている。ティツィアーノらヴェネツィア派の画家が得意としたテーマであり、ヴェネツィア派のような華やかな色彩が見られるが、人物たちは影に沈んでいる。1876年にマウリッツハイス美術館が入手したが、そのときは別の画家ニコラース・マースの偽の署名が入っており、マースの作品と思われていた。19世紀末の修復で、「JVMeer」という署名が見つかり、当時ほとんど知られていなかったフェルメールの作品とされた。

■ヤン・ステーン「老いが歌えば若きが笛吹く」
オランダの風俗画を代表する画家ヤン・ステーンの代表作。この画家に典型的なにぎやかな室内の情景を描いている。「年寄りが歌えば、若者が笛を吹く」という、17世紀オランダで広く知られたことわざを描いたもので、子どもというものは、悪い行為を含めて大人のすることをなんでも真似をするので、大人はつねに正しい手本を示さなければならないという警告である。
ステーンは自分や家族をモデルにすることが多かったが、ここでは絵の中央で自らパイプを吸う姿で登場し、まさに悪い手本を示している。ステーンはこのことわざを主題にした作品を数多く描いており、そのうち2点がマウリッツハイス美術館のコレクションに収められている。

■パウルス・ポッテル「水に映る牛」
パウルス・ポッテルは牛の絵で知られるオランダの画家。画家であった父に学び、早熟の才能を示した。結核によりわずか28歳で夭逝するまでに、百点近い作品を残した。マウリッツハイス美術館には、ポッテルの代表作「若い牡牛」という大作がある。19世紀まではフェルメールよりも有名な画家であった。この絵は、輝かしい夏の日の情景を描いたもの。人々は水辺で楽しんでおり、牛たちはそれを見守り、木陰や池で涼を求めている。ポッテルは水面に映る反射を巧みに描き、そのためこの絵は「映る牛」という愛称で親しまれてきた。ポッテルは動物たちを忠実に細部まで描いているが、彼はスケッチ帖を持ち歩いて動物を個別にスケッチし、後でそれらを統合して制作した。
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