ミツカンは今春、食酢飲料『フルーティス(TM)』をリニューアル発売した。先ごろ開催された発表会では、“健康のためのお酢ドリンク”という従来の枠を見直し、果実を主役にした設計へと刷新することを発表。
“新・果実体験”をコンセプトに据え、市場縮小が続く食酢飲料の再浮上を目指すとした。

■必要なのは「お酢=“健康のために飲むもの”」のイメージからの脱却

 『フルーティス』は2020年、フルーティーで飲みやすいりんご酢ドリンクとして誕生。それまでトクホ商品や機能性表示食品など、50~60代の健康意識層を中心に展開してきた同社にとって、30~40代女性を主ターゲットに据えたブランドとしてユーザー層の拡大を担ってきた。健康志向の高まりを背景に食酢飲料の市場自体も拡大し、21年には過去最高の市場規模を記録。しかし現在は縮小傾向が続いているという。

 同社マーケティング担当の田中菜々美氏は「生活者の健康ニーズの変化に加え、お酢ドリンク特有の酸味や甘みの強さから離脱する方もいた」と食酢飲料全体の課題感を説明。再び市場拡大を目指すには「お酢=“健康のために飲むもの”というイメージからの転換が必要だった」と話す。

■“果実が主役”の中味設計「すっきりしているけど、甘みも感じられる味わいに」

 リニューアルされた『フルーティス』は、果汁とお酢を組み合わせて味の輪郭を際立たせる「フルーティアップ製法(TM)」が採用されている。従来は“お酢をおいしく飲むための果実フレーバー”という位置づけだったが、今回は“果実の味わいを主役に据える”設計へと発想を転換した。

 「料理に少量のお酢を加えて味を引き締める“隠し酢”の考え方を応用しています。すっきりしているけれど、甘みもしっかり感じられる味わいを目指しました」と田中氏。

 開発では、口に含んでから飲み終わるまでの味の変化を「トップ・ミドル・ラスト」として設計。
フレーバーごとに味のバランスを調整したという。たとえば、「あまおう」は濃厚な甘みと酸味のバランスを重視し、甘みの表現に焙煎した砂糖を使用。最難関フレーバーだったという「ざくろ」はぶどう果汁をブレンドすることで、酸味と甘みの両立を図った。また、濃縮タイプであることから、水や炭酸、牛乳などで割るほか、デザートへのアレンジも可能となっている。

 パッケージは果実のイラストを大きく配置したデザインを採用。田中氏は「お酢のリーディングカンパニーとして、落ち込みつつある市場をフルーティスで回復させたいです。向こう3年間で、最盛期の2021・2022年並みまでマーケットを復活させたいと考えています」と新商品への意気込みを語った。

■牛乳割りやデザートにも、発表会でアレンジメニューを試飲

 発表会ではアレンジメニューの試飲も行われた。筆者が試したのは「あまおうのいちごミルク」と「ざくろのバニラアイスがけ」。

 「あまおうのいちごミルク」は、牛乳で割ることで酸味がやわらぎ、まろやかなコクが加わる一方、後味はすっきり。濃厚な甘みと香りが際立つ味わいだった。おすすめはやや濃いめに割ること。
いちごの果実感をより感じることができる。「ざくろのバニラアイスがけ」は、甘酸っぱさとバニラのコクが重なり、酸味が甘さを引き締める仕上がりとなっていた。

 家庭用の新商品は2月18日に発売され、「長野県産シャインマスカット」「福岡県産あまおう」「国産白桃」「ざくろ」の全4種が展開されている。
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