■男性同士で出会った2人「生まれて初めて“自分らしく振る舞ってもいい”と感じられた」
――1996年から2026年までの10年ごとのお写真を並べた投稿が話題になっています。30年前のお2人の出会いについて教えてください。
「当時、私(大奈)が22歳、夫(オットさん)が25歳でした。出会いは札幌のクラブイベントです。ショーに出演していた私を見た夫が、ショーの後に話しかけてくれたことがきっかけでした。その夜は彼の友人も交えて別のバーに移動し、明け方までお酒を飲みながら会話を楽しみました。そして翌日、電話で連絡を取り合い、改めて2人で会う約束をしました」
――投稿では、出会った当時のご自身を「一緒なら恐れるものはないと信じていた世間知らずの男の子」と表現されていました。当時はどのような気持ちでパートナーと向き合っていたのでしょうか?
「幼い頃から自分の性に違和感を抱えながら生きてきた私は、周囲から揶揄されたり、心ない言葉や態度を向けられたりすることも多くありました。そんな私を、夫はありのまま受け入れてくれた人でした。
――その後、お2人の関係に転機が訪れたのはいつ頃だったのでしょうか?
「彼が30歳を過ぎたころ、周囲の友人たちが結婚し子どもを持つなど、それぞれの未来へ進んでいく中で、男性である私との暮らしの先に、いわゆる『普通の未来』を思い描けなくなってしまったようです。そして彼から別れを切り出されました。それは、私の人生の中で最もつらい出来事でした。私は『別れたくない』と彼にすがり、男性カップルが一生を共にできる方法がないか必死に調べました。その過程で、初めて『性同一性障害』という言葉を知りました。そこに書かれていた内容は、それまで自分が経験してきたことそのものでした。 その後、女性への性別移行の過程では、悩みを親身になって聞いてくれた女友達の存在に支えられ、乗り越えることができました」
――出会った頃のお2人は、周囲からは同性カップルとして見られる関係だったと思います。当時の社会では、今よりも理解が少ない時代だったと想像しますが、お2人が一緒に歩んでいく中で、どのような壁や葛藤がありましたか?
「私たちは理解のある友人たちに恵まれていたため、2人の関係そのもので嫌な思いをすることはあまりありませんでした。ただ、生活面では生きづらさを感じる場面がいくつかありました。
――投稿には「大変なことも多かったけれど、今では笑い話」と書かれていました。これまでの30年の中で、特に印象に残っている出来事があれば教えてください。
「出会った当時は生活にも余裕がなく、私たちもまだ若かったこともあって、喧嘩をすることも多く、お互いに傷つけ合ってしまうこともありました。その中でも特に印象に残っているのは、彼から別れを切り出されたときのことです。当時の私は、彼が長い間抱えてきた葛藤に気づいておらず、感情のままにひどい言葉をたくさん言ってしまいました。今振り返ると、とても後悔していますが、そうした出来事も含めて、2人が30年を歩んでくる中での大きな出来事の1つだったと思います」
■“普通の幸せ”に手が届いた2006年の結婚式「“守るべき存在”から“守っていきたい存在”に」
――2006年には結婚式も挙げられています。同性カップルだったところから、男性と女性として結婚式を挙げられたとき、どのようなお気持ちでしたか?
「私にとっては、それまで一生手が届かないと思っていた『普通の幸せ』に、ようやく手が届いたと感じた瞬間でした。それまでの人生の中で、一番幸せだと感じた出来事だったと思います。夫は結婚式のとき、『これからは責任を持って養っていかなきゃな』と話していました。とても普通の言葉かもしれませんが、その言葉を聞いたとき、私にとってはとても特別で嬉しい一言でした」
――現在は男性と女性として人生を歩まれているとのことですが、その変化の中で、お2人の関係に変化はありましたか?
「性別移行前は、友達のような恋人という関係でしたが、戸籍を変更して結婚してからは、私自身が少しかかあ天下気質になったかもしれないと思っています(笑)」(大奈さん)
「大奈が男性だった頃から、私にとっては『守るべき存在』でした。ただ、女性になってからは、より一層『守っていきたい存在』になりました」(オットさん)
おふたりとしては「ただ一つ変わらないのは、「互いを尊重し合う」ということです。
――長い年月の中で、ご自身の性別や生き方について向き合う時間もあったと思います。その過程でパートナーの存在はどのような支えになりましたか。
「私は長い間、ありのままの自分を受け入れることができず、誰かが決めた“ものさし”で自分を測りながら生きてきました。そんな私に対して、彼は根気強く、ありのままの私と向き合い続けてくれました。その存在があったからこそ、私は初めて『自分は愛されてもいい人間なんだ』と思えるようになりました」
■一般的なカップルとは違う30年の歩み、目指すのは“新しい家族の形”
――出会ってから30年が経ち、10年ごとの写真を並べて振り返ったとき、どのような思いが込み上げましたか?
「1996年、2006年、2016年、そして2026年と写真を並べて振り返ると、一般的なカップルの歩みとは少し違うかもしれません。それでも、迷いながらも自分の人生を懸命に生きてきたのだと感じ、我ながら誇らしい気持ちが込み上げてきました」
――今年、出会った日と同じ1月22日に発売された『ゼクシィ』に掲載されたとのことですが、そのお話を受けたときはどのようなお気持ちでしたか?
「2人が出会い、生活を共にしていく中で、『この人は運命の人なのだろうか』『この人と一生一緒に暮らしていけるのだろうか』と、不安と希望が入り混じった気持ちを抱えていました。そんな中で、出会った日と同じ1月22日に発売された『ゼクシィ』に掲載されると聞いたとき、これはただの偶然ではなく、本当に運命なのかもしれないと感じてしまいました」
――30年という時間をともに歩んできたお2人ですが、改めてパートナーに伝えたい思いや、これから一緒に叶えたいことがあれば教えてください。
「日々の生活の中では、ちょっとした小競り合いや、時には衝突することもあります。それでも互いを許し合いながら、この先も一緒に歩んでいけたらと思っています。実は1年半ほど前から、家庭での養育が必要な子どもを受け入れる準備を進めており、一昨年末には里親登録も完了しました。ご縁があれば、新しい家族の形として、あたたかい家庭を築いていけたらと思っています」
――「家族に打ち明けられない」など、自身の性について悩んでいる方へどのような言葉をかけていきたいですか?
「自分の性について悩み、『家族に打ち明けられない』と感じている方に伝えたいのは、『あなたはあなたのままで素晴らしい存在だ』ということです。
『周りがいろいろなことを言うだろうなと考えるときもある。でも結果的には、周りに何を言われたって、“自分たちが一番いい”と思えるならそれが最高。だって自分の人生なんだから。それを大事にしなきゃダメ!』
この言葉は、今も私たちの支えになっています」
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