襟が擦り切れていたパパのストライプシャツを、娘さん用のブラウスにリメイクしたYouTube動画に反響があり、「もう魔法の手!」「甘辛バランスが絶妙!」などの反響が寄せられている。動画の投稿者で、アメリカから「365日手作り服」な日常を発信している「まちこ」さん(@machiko_hariyama)に、リメイクの裏話やハンドメイドの魅力について話を聞いた。

■「クローゼットは生地屋さん」…リメイクが得意なママがこだわったポイントは?

――襟が擦り切れるまで愛用されたご主人のユニクロシャツを、長女さん用の可愛らしいブラウスに仕立てていく過程、とても興味深く拝見しました! まずは、数あるリメイクの中で、娘さんのブラウスにしようと思った理由についてうかがえますか。

「実は、夫のシャツをリメイクしようと思ってはじめたことではないんです。娘のブラウスが必要になり、どんな生地で作ろうかな? とクローゼットを見渡していたら、ちょうど襟が擦り切れた夫のユニクロのシャツがあって。そのストライプ柄がとても可愛かったので『これで作ろう!』と…結果的にリメイクになったという流れでした」

――洋服を仕立てる時、まずはクローゼットを見られるのでしょうか?

「服を作るときは、いつも新しい生地を探す前にクローゼットに入り、傷んだ部分がある服やサイズアウトした服などがないかチェックしていますね。私にとって加工されていない生地も、服の形になっている生地も仕立てるための資材としては同等なので、クローゼットはまるで私専用の生地屋さんなんです(笑)」

――そうなんですね(笑)。リメイクによって、シャツの印象がガラリと変わったのも印象的でした。デザインのこだわりについてもうかがえますか。

「かっこいい印象のストライプシャツだったので、娘のブラウスに仕立てる時はあえて可愛いデザインにしようと思っていました。また、用尺があまり取れず、丈が短くなることが予想されたので、丈が短くてもスカートやパンツに合うブラウスを…と考えて、今回は“ペプラム付きブラウス”のデザインを採用しました」

■渡米後、初のハロウィンで経験した“ハプニングだらけ”のドレス作り

――3人のお子さまも含めて「365日手作り服」を作られているとのことですが、これまでで特に大変だった「大物」は何でしょうか?

「いろいろな『大物』を作ってきたので、一番を決めるのは難しいのですが…。印象に残っているのは、アメリカに来て初めてのハロウィンで、長女に作ったメリーポピンズのドレスですね。当時(今から2年ほど前)は、まだ独学で洋裁をしていたこともあり、パターンの作り方やサイズ調整の知識が十分ではなくて。それでも、ダボダボにならず、娘の体にぴったり合ったドレスを作りたくて、悪戦苦闘したことをよく覚えています」

――大変だったポイントはどこですか?

「初めてアメリカの型紙を購入して作ったのですが、紙がとても大きくて柔らかく、扱うのが本当に大変でした。さらに、縫い代込みで書かれていることに気づかず、苦労してトレースしたあとに、またやり直す羽目になったんです」

――そんなご苦労があったのですね。

「レースを縫い付けたり、自分でベルトの型紙を作ったりと、ディテールにもこだわったので確かに大変でした。でも、正直このくらいなら『いつものこと』だったんです。ところが、ハロウィン間近に長女が腕を骨折してしまいまして…。ギブスの関係で、せっかく作ったドレスの袖に腕が通らなくなってしまったんです」

――まさか、というハプニングですね…!

「『ドレスが着られない!』という緊急事態に本気で焦りました。でも、アメリカで初めて迎えるハロウィンでしたし、娘も着るのを本当に楽しみにしていたので、これはどうにかしなくちゃ…と。時間はありませんでしたが、袖の部分をまた開いてリボン結びにするような仕様に変更し、なんとかギブスをしたままでも着られるようにしました。そんなトラブルも含めて1番大変な『大物』だったと思います」

■「自分にとって着心地の良い服」を作れることがハンドメイドの魅力

――近年ではファストファッションの普及により、手作りするよりも安価に洋服が手に入ることも少なくありません。それでも、ハンドメイドの服作りやリメイクに魅力を感じる理由をお聞かせください。

「ハンドメイドの1番良いところは、『自分の着たい服を好きなように作れる』ことでしょうか。こんな服が着たいな…と思っても、想像した通りの服を市場で探すのは意外と大変ですよね。でも、ハンドメイドなら、それを自分の手で叶えることができるんです」

――どうしても『難しそう』と二の足を踏んでしまって…。

「好きなように服を作る、というと、難しく感じられるかもしれません。実際、私も初心者の頃は、思い描いた通りの形に仕上げるのにとても苦労しました。ただ、技術がなくても “自分好みにできる部分”は意外とたくさんあるんです。例えば、好きな生地を選ぶ、裾丈を少し長くする、袖丈を7分にしてみる…。そんな小さなアレンジを加えるだけでも、自分にとって着心地の良い服になります」

――手作りだからこそできる工夫ですね。

「私も服を作り始めた頃は、既製品を買ったほうがいいのかなと思うこともありました。でも続けていくうちに、服を作った残りのハギレで家の小物を作ったり、着られなくなった服を子どもたち用にリメイクしたりと、気づけば同じ生地が家の中で巡っているような暮らしになっていて。そうした手作りのものに囲まれて暮らす生活は、とても贅沢なことなんじゃないか…と気づいたんです」

――手作りすることでしか得られない、別の豊かさがあったと。

「そうですね。そして続けているうちに『着たい服をその通り作り上げる』という、難しいと感じていた理想にいつの間にか近づいている。だからこそ、手作りはやめられないなと思います」

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