日本の高精度3D測量技術(UAV-LiDAR)を活用した調査により、マチュピチュ遺跡周辺の密林下から、これまで確認が困難であった複数の新たな遺構形状の抽出に成功したという。
具体的には、マチュピチュ遺跡の北東部に広がる大規模段々畑群「アンデネスオリエンタレス」において、木々に覆われ、視認が困難であった全体像を初めて把握。遺跡北側の未調査エリアの月の神殿付近では、L字型の壁状構造(高さ約2.7メートル)や線対称の三段の段々畑、加工の可能性がある直方体の石材など、複数の特徴的な遺構候補を新たに確認した。
ペルーには、インカ帝国期(13~16世紀)を含む2万2000を超える遺跡が存在し、観光資産にもなっているが、登録・保全が追いついていない。日本とペルーの長年の交流に根ざし、JICAが日本の技術を生かした支援を行っている。
マチュピチュ村の初代村長(1948~1950年)を務めた日系移民の野内与吉氏は、福島県大玉村の出身で、村の基盤づくりに貢献した。その功績は現在もペルーで高く評価されており、この歴史的な縁を契機に、大玉村とマチュピチュ村は2015年に友好都市協定を締結している。
また、大玉村は、2011年の東日本大震災の際、原発事故により避難を余儀なくされた福島県富岡町から多くの町民を受け入れた。これに感謝した富岡町出身の株式会社ふたばの遠藤秀文社長が「自社の3D測量技術を活かして大玉村とマチュピチュ村の友好関係を促進することで大玉村に恩返ししたい」とい思いを抱き、この構想がJICAに持ち込まれたことが、事業形成のきっかけとなった。
このほか、マチュピチュのような、高山帯・雲霧帯で得られた3D解析技術やリスク評価の知見は、日本の文化財保全や観光地の安全管理、防災分野にいかしていけるとする。
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