■2026年特有の「二重苦」、現場で相次ぐ困惑の声
2026年3月末、クリニックフォアの受診現場では、スギ花粉の収束とともに一度は落ち着いた症状が再発し、「鼻水が透明から少し粘り気が出てきた」「目のかゆみはないのに、喉の奥が異常にかゆく、咳が出る」「花粉症だと思っていたら、急に関節が重だるくなってきた」など、来院する患者が目立っている。背景にあるのは、ヒノキ花粉の本格飛散と、依然として高水準を維持するインフルエンザB型の流行という二重の要因だ。
オンライン診療でも「判別のつかない不調」の相談が昨対比で増加している。実際に、30代男性の患者は、「微熱程度だったので、例年通りの花粉症だと思い、薬の追加を希望してクリニックを受診しましたが、医師との対話で『喉の赤みが強く、周囲でインフルが流行っている』ことが判明。検査を勧められ受診したところ、インフルB型でした。放置して職場に広める前に適切な対処ができました」と語る。
また、40代女性の患者は、「鼻水が止まらず、花粉症の悪化かと思って受診。オンラインで症状を確認してもらったところ、症状から風邪の可能性があるとのこと。花粉症の薬だけでなく、風邪の症状に対して解熱抗炎症薬などを処方してもらい、楽に過ごせる程度に症状が落ち着きました」と、適切な診断の重要性を明かした。
■医師が解説する「不調の正体」、どのように判断すべき?
こうした状況を受け、クリニックフォア監修医で内科医の渥美義大医師は、2026年春のメカニズムについて、「2026年はB型が3月末になっても勢いを保っており、一部地域では警報レベルが継続されています。B型は比較的熱が上がりにくいケースもあり、鼻水や喉の違和感から花粉症と混同されやすい側面があります」と指摘。
さらに、「スギが落ち着くこの時期は、ヒノキ花粉がピークを迎えます。ヒノキは喉の粘膜にも影響を与えやすく、咳やイガイガ感を伴うことが多いため、風邪の初期症状との確認が重要です。また、花粉で荒れた粘膜はウイルスが侵入しやすいため、花粉症と感染症を併発する場合もあります。放置せず、早めの対応が早期回復の鍵となります」と警鐘を鳴らす。
不調の正体を見極めるには、症状の性質に注目したい。ヒノキ花粉症は鼻水がさらさらした水状で強い目のかゆみを伴う一方、風邪やインフルは鼻水に粘り気があり、目のかゆみはない。喉についても、花粉症は「痒み・イガイガ」だが、感染症は「痛み・飲み込むのがつらい」といった違いがある。強い倦怠感や発熱の有無も、大きな判断基準となる。「花粉症は終わった」という思い込みが、感染症の放置を招くリスクもあるため、自身の症状を冷静に見極めることが肝要だ 。
【監修】
クリニックフォア監修医/内科医 渥美 義大
神戸大学医学部卒。東京都済生会中央病院で糖尿病内科スタッフやチーフレジデントとして勤務。現在は糖尿病専門医・日本内科学会認定医として、質の高いプライマリケアの実現と慢性疾患管理の向上に尽力している。
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