本作は、台湾パビリオンのコンパニオンに合格した少女が、かつて自分を助けてくれた名も知らぬ恩人を探し、万博会場を駆け巡るスペクタクル・エンターテインメント。音楽やダンスを交えた華やかな演出とともに、当時の万博の空気感をリアルに映し出す。
台湾の映画保存機関・国家電影及視聴文化中心(TFAI)の協力によりデジタル修復が施され、公開から半世紀以上を経て2Kレストア版としてよみがえった。昨年の「第21回大阪アジアン映画祭」のオープニング作品として日本初上映され、話題を集めていた。
劇中には、「中華民国館」内部で撮影された展示のディテールをはじめ、世界各国のパビリオンや企業パビリオンが続々と登場。テーマ館中央に堂々とそびえる「太陽の塔」、ロープウェイからの眺望やジェットコースターなど、万博会場の象徴的な風景が収められている。当時の台湾では一般市民の海外観光が自由化されていなかったため、映画を通じて万博の様子を伝えることには大きな意義があった。現在では、当時の熱狂や高揚感を体感できる貴重な映像資料として高い価値を持つ。
主演は、台湾・日本を中心に国際的な人気を誇るジュディ・オング。撮影当時20歳だった彼女の存在感と伸びやかな歌声も大きな見どころとなっている。監督は『小翠』『ニセのお嬢さん』のリャオ・シャンションが務め、美術の三上陸男、怪獣「ガメラ」の造形者・八木政雄(正夫)など、日本の特撮映画人も制作に参加している。
万博会場での撮影は制限が多く、一般客に紛れて撮影する“ゲリラ方式”で敢行された。周囲の観客に気づかれると撮影を中断し、別の場所へ移動して続けられたという。劇中には、万博会場を駆け回るジュディ・オングに観客が驚く様子も収められており、当時の臨場感をより生々しく伝えている。
また、神戸や京都、奈良の風景に加え、突然北海道の雪景色が登場するのは、撮影期間中にジュディ・オングが北海道でコンサートを行ったため、台湾では珍しい雪景を収めようと急きょ同行して撮影されたものだという。
万博を舞台にした作品ながら、冒頭ではダンサーたちの踊りをバックに華やかに演出された“ジュディ・オン・ステージ”が展開。1971年にリリースされたアルバム曲「小溪倩影」や、バート・バカラックの「I’ll Never Fall in Love Again」をフルコーラスで披露している。
ダンサーたちは当時のテレビ番組で活躍した西野バレエ団の人気スター「レ・ガールズ」を彷彿とさせ、管楽器を奏でるバンドの演出も含め、当時の歌番組の雰囲気を色濃く映し出す。さらに、エディット・ビアフの「パダム・パダム」やビートルズの「ア・ハード・デイズ・ナイト」など名曲も劇中で流れる。
一方で、1970年当時の国際情勢も色濃く反映されている。当時、日本と中華人民共和国(中国)は国交を結んでおらず、中華民国(台湾)が「中国」として万博に参加していた。作品には中華民国館の外観や展示物に加え、国旗を胸に働く接待員の姿や故宮文物のクローズアップなど、当時の政治的背景をうかがわせる描写も盛り込まれている。
大阪万博の翌年(1971年)、国連総会は「2758号決議」を採択し、中国の代表権は中華人民共和国へ移行。1972年には日中国交が正常化され、日本と台湾は断交した。現在も正式な国交はないものの、実務的な関係が続いている。1970年の大阪万博は、台湾が中華民国の名称で参加した最後の国際博覧会となる。
万博の記録映像としての価値に加え、当時の時代背景や人々の熱気を今に伝える興味深い一本だ。
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