人間生きているといつ何があるか分からないものです。突然の病気や怪我などであわてる事もあるかもしれません。
そんな日々の予防について深く考えさせられる体験談がツイッター上で注目されていました。
漫画家でイラストレーターのさわぐち けいすけさん(@tricolorebicol1)は、自身の体験を漫画で紹介しています。この漫画をアップした2週間くらい前にさわぐちさん自身が経験した痛みは相当なものでした。
さわぐちさんを襲う突然の腹痛。原因不明の腹痛にじっとできず歩き回るしかできない状態。あまりの事に救急相談センター(#7119)に電話して相談する奥様。痛みの状態を何とか電話で伝えると、センターから「意識が飛ぶようでなければすぐにタクシーで受診を」と自宅近所の病院を紹介してもらい、受診へ。
医師による診察で「おそらく尿管結石でしょう」とCT検査や採血、点滴による痛み止めをうけるさわぐちさん。CT検査の結果、やはり尿管結石という事でした。医師から「最近水分を取らずに長時間過ごしたことはありませんか?」と聞かれ「絵の仕事が忙しくて気付くと5時間以上作業したままという事がよくあります」と答えると……
「それはいけません。こまめに水分と休憩を確保しないと他の病気も引き起こします。
■尿管結石ってそんなに痛いの?
筆者の看護師としての経験上知る限り、「激痛」だと言い切れます。突然とんでもない腹痛に見舞われ、さわぐちさんのように痛みのあまり嘔吐する事もあります。さわぐちさんの場合、入院治療するほどではなく、結石を溶かす薬と痛み止めと水分補給で尿管にできた石が自然排出するのを待つ程度で済んでいるようですが、できた石の大きさによっては入院する必要も出てきます。腎臓や腎臓と膀胱をつないでいる尿管にシュウ酸カルシウムなどの結晶が固まって石の状態となります。結晶なのでごつごつしており、この石化した結晶が動く事によってとんでもない痛みが発生します。我が国の男性では11人に1人は一生のうちに 一度はかかるといわれており、男女比で言えば男性のほうがかかる率が高くなっています。特に20代~50代の男性に多く見られます。
■尿路結石症の治療
尿管結石を含む尿を排出する系統にできる結晶の石化したものをまとめて尿路結石症と言いますが、小さいものは内服薬と水分補給をしっかりと行う事で自然排出する事ができます。
・ESWL:体外衝撃波結石破砕術・TUL:経尿道的結石除去術・PNL:経皮的結石除去術
1番目の体の外から強い超音波をあて結石を砕く、衝撃波による治療がまず第一選択になります。これで処理しきれない場合などは2、3番目の手術療法が適用されます。衝撃波による治療の場合、最短で日帰り入院で行う病院もあるようですが大体の病院では1泊2日の入院を必要としているようです。2、3番目の治療ではお腹を大きく切る手術ではありませんが、数日の入院を必要とします。
■尿路結石症を予防するには
まず、水分をこまめに摂る事です。熱中症の予防でもよく言われていることですが、水分をしっかりとって体内の水分の循環を良くしておく事で体内の不要なものを排出しやすくなります。尿路結石の主な成分はシュウ酸カルシウムやコレステロールです。このうち尿管にできるのものの殆どがシュウ酸カルシウムが主成分となっている事が多いようです。
一度尿路結石になった事がある人は再発しやすい事が知られています。シュウ酸カルシウムは野菜のアクに含まれていることが多いため、生野菜をなるべく食べず、葉物野菜は茹でこぼしてから食べるなどの食事の工夫が必要です。また、 いわゆる結石体質に加えて摂取水分量の不足、過剰のカルシウム、塩分、糖分、動物性 蛋白質、アルコールなどの摂取が結石再発を助長させているとされています。
また、作中に出てきた「救急相談センター(#7119)」は救急車を呼ぶべきかどうか迷った時や夜間などの診療時間外に起こった病気などの相談に的確に答えてくれる機関なので、急な病気で困った時に是非活用してくださいね!
<記事化協力>さわぐち けいすけさん(@tricolorebicol1)
<参考サイト>日本大医学部 泌尿器科 尿路結石症MEDLEY 尿路結石
(看護師ライター・梓川みいな)