大雨による浸水や冠水は、いつどこで起こるかわかりません。8月8日未明、鹿児島県姶良・霧島地方を襲った豪雨もその一例です。
こうした水害に備えて、被災直後から生活再建までを支える行動指針をまとめた冊子「水害にあったときに」が、全国の防災ネットワーク「震災がつなぐ全国ネットワーク」によって配布・WEB公開されています。
■ 被災直後からの行動を示す4つの柱
この冊子は、大きな水害が起きるたびに毎回注目されてきたもので、実際に「役に立った」という声も多く聞かれています。被災直後に必要な行動を4つの柱にまとめ、誰でもすぐ実践できるようにした構成です。
・すぐにはじめること:片付け前に被害の記録を残す(浸水の高さが分かる写真や動画を撮影)など、安全確保と記録の方法を解説。
・自宅の片付けとそうじ:ボランティアへの依頼方法や、作業時の服装・熱中症対策、クギ踏み抜き防止などの注意点を紹介。
・罹災証明書をもらう:申請から発行までの流れや判定区分、再調査の依頼方法などを図解。判定区分によって使える支援制度が変わることも説明。
・くらしの立て直し:住宅修繕や再建、義援金や災害復興住宅ローン減免などの制度申請方法を掲載。
また、重要項目を抜粋して4ページに凝縮したチラシ版も用意されており、短時間で必要な情報を把握することが可能。
いずれも繰り返し改訂が行われており、最新版は2025年7月に更新されたばかり。支援制度一覧や住宅応急修理制度の金額改定など、常に新しい情報を知ることが出来ます。
さらに、視覚障害や読字障害のある方にも利用できるマルチメディアデイジー版、音訳デイジー版、テキスト版も提供。誰もが情報に手軽にアクセスできるよう配慮されています。
■ 冊子やチラシの入手方法
冊子やチラシはいずれも「震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)」の公式サイトからPDFをダウンロードでき、被災地支援用として紙媒体の申込も可能です(被災地外での利用は有料頒布あり)。
被災直後は何から手をつければいいのか分からず、不安や混乱が募るものです。この手引きは、そんなときに落ち着いて行動するための道しるべとなります。豪雨被害に見舞われた地域の方々はもちろん、支援に向かう人や、防災を自分事として考えるすべての人にとって、心強い情報源となるでしょう。
<参考・引用>
震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)「ツール」
冊子:「水害にあったときに」チラシ版(A4版・4頁)
冊子:「水害にあったときに」冊子版(32頁)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025080901.html