ガンホー、元幹部の不正行為を公表 被害約3億4600万円、刑...の画像はこちら >>


 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(東証プライム:3765)は8月14日、同社の元幹部社員が過去数年にわたり会社資金を不正流用していたことを明らかにした。


 被害総額は約3億4600万円にのぼり、同社は7月24日付で当該元社員を懲戒解雇。

現在、刑事告訴に向けた協議を進めているという。


■ 架空発注と不正支払い

 発表によると、元社員は外部の仕事依頼サイトを利用し、同社が発注者、自身が受注者となる架空業務を設定。業務委託費として支払われた約2億4600万円の大部分を着服していた。また、業務実態のない取引先に対し、不正に約1億円を支払う手口も確認された。


 社内で不正の疑いを把握後、外部の法律事務所と会計事務所のフォレンジックチームが初動調査を実施。詳細な事実確認や類似事案の有無を調べた結果、組織的関与はなく、単独犯行であったことが判明した。不正の発覚を免れるため、元社員は隠蔽工作を行っていたという。

■ 背景に権限集中とチェック機能の不備

 調査では、幹部職員の裁量権限の集中や、発注部署に委ねられた稟議の適正性検証プロセスの甘さ、さらに取引不正リスクの認識・評価不足などが発生要因として指摘された。同社はこれらを受け、社内統制の見直しと不正リスク対応の強化に着手している。

■ 再発防止策と経営責任

 再発防止策として、コンプライアンス教育・研修の拡充、外部業者との取引発注や支払承認プロセスの改善、内部監査のモニタリング強化などを実施。類似取引の事後確認も進める方針だ。


 また経営責任を明確化するため、森下一喜社長は8月から3か月間、月額基本報酬の30%を減額。その他の取締役4名も同期間、10%の減額措置を受ける。


 同社は「株主・投資家の皆様、取引先をはじめ関係各位に多大なるご迷惑とご心配をお掛けすることとな り、深くお詫び申し上げます」とし、今後も捜査機関への全面協力と被害金の回収を進めるとしている。


<参考・引用>
ガンホー「当社の元従業員による不正行為について」(2025年8月14日)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025081504.html
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