ホラーイベント「笑える事故物件 笑えない事故物件」の関連商品として販売されている体験型キット「落とし物:黒い封筒 ~本当に心霊現象が起きる一夜のゾク体験~」。
2025年7月25日公開の映画「事故物件ゾク 恐い間取り」の公式グッズでもあるこの商品を、ひょんなことからホラー系が苦手な筆者が体験することになりました……。
■ 黒い封筒が自宅に届く
きっかけは、おたくま経済新聞の問い合わせに届いた一本のメール。「メディアの方も体験してみませんか?」との誘いがあったことです。もちろん断ることもできたのですが……一方で「怖いもの見たさ」があるのも然り。勇気を出して申し込んでみることにしました。
ほどなくして手元に届いたのは、「落とし物:黒い封筒」というタイトル通り、真っ黒な封筒。添付されたメモ用紙には「8月29日22時に開けてください」と強く念押しされており、否応なく背筋がゾクゾクしてきます。

当日は全国の「黒い封筒」所有者が同時刻に一斉に開封し、SNS上で体験を共有するという流れ。「#一夜のゾク体験報告」というハッシュタグも用意され、まるで参加型ホラーイベントのようです。
■ 指定された「準備物」
封筒を開ける前に用意しておくよう指示されたのは以下の6つ。
・透明なコップ
・未使用の割り箸
・水の入ったペットボトル
・WEBにアクセスできる端末
・イヤホン
・横たわる場所
「これでどんな心霊現象が起こるんだろう……?」と半信半疑でしたが、準備が進むにつれ、妙な緊張感が高まっていきます。

■ 封筒の中身と装置の組み立て
そして迎えた8月29日22時。封筒を開けると、中には2枚の紙が入っていました。1枚には「装置の作り方」が記され、もう1枚は細長い紙で先端に黒い丸が描かれています。これは一体……。

説明に従い、水を少量入れたコップの上に割り箸を橋のように置き、そのすき間に細長い紙を挟んで黒丸部分を水に浸す仕組み。

準備が整ったらXに「これから聴きます」と投稿し、いよいよ音声データの再生開始です。
■ 立体音響が誘う“その場”の恐怖
ここから先の詳しい内容はネタバレになるため控えますが……音声の中身は、まるで本当に事故物件に居合わせているかのような生々しさが感じられるもの。立体音響により耳元で誰かが囁く感覚が走ったかと思えば、背後で物音がしたように錯覚して飛び起きる始末。
再生中は幾度となく「嫌な汗」が噴き出る感覚を覚え、全身の毛は総立ちになる感覚を覚えました。ホラー映画をスクリーンで観るのとも、ホラゲーをプレイするのとも異なる、“没入型の恐怖”がそこにはありました。
■ 装置に異変が……
25分ほどの音声データを聴き終えたあと、次に指示されたのは「装置を確認し、写真を撮ってSNSに投稿せよ」というもの。

恐る恐る覗き込むと、細長い紙に描かれていた黒い丸がじわりと滲み、まるで「目」のような模様に変化しているではありませんか……。これには思わずギョッとしました……。

この不気味な変化は何を意味するのか。ハッシュタグで他の体験者の投稿を確認すると、皆同じような現象が起きている中、まるで首を吊る人物の影のようなものが浮き上がるという、異常な反応を示した人も。この人物はその後Xのスペースで状況説明を行いましたが、突如接続が途切れるなど、不穏な事態に見舞われていました。
「もしかすると、この装置は次に霊が訪れる物件を選んでいるのでは……?」そんな疑念が脳裏をよぎります。

■ 体験を終えて
幸い筆者の身には何も起こりませんでしたが、夜が明けるまで心臓の鼓動は落ち着かず。布団に入りながらも、いつも以上に物音に敏感に反応してしまう始末でした。
今回の「落とし物:黒い封筒」はあくまでフィクション。しかし、参加者同士が同時に体験し、SNSで「恐怖を共有」する仕組みは、まるで現実と虚構の境界が溶け合うような、不思議な臨場感を生み出していました。
文字通り「一夜のゾク体験」を身を以て体感した筆者。「もう二度とゴメンだ」……そう思いつつも、もし第二弾、第三弾があるのなら……また挑戦してしまうかもしれません。怖いもの見たさとは、つくづく恐ろしいものです。
「落とし物:黒い封筒 ~本当に心霊現象が起きる一夜のゾク体験~」は引き続きオンラインで販売中。興味のある方は体験してみてはいかがでしょうか。
<記事化協力>
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(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025090602.html