無反射黒色素材の開発、販売、二次加工を手掛ける「暗素研」が、公式Xで紹介したアイテムが画期的すぎると話題に。その名も「無反射定規」。
投稿に添えられた写真を見ると、そこには照明下でも素材が一切光を反射せず、くっきりと目盛りが読める様子が写っています。隣に置かれた通常の定規と比べるとその差は歴然。これは便利……!
まさしく、定規の常識を覆す今回のアイデアは、自動運転分野で利用される「光を吸収するマーカー(カメラやセンサーでの認識精度を高める目印)」がきっかけとのこと。
暗素研ではカメラやセンサーの認識精度を高める研究を続けており、その比較動画がSNSで反響を呼んだ際、「反射を抑えることで便利になる他のものはないか」と模索。結果、日常的に使用する定規に応用してみようと考えたのだといいます。


暗素研を代表する塗料製品のひとつ「真・黒色無双」を使ったのでは?との声もありましたが、実際には極細発泡ポリウレタンシート「ファインシャットSP」を採用。
この素材はもともと光学機器内部の反射防止用に開発され、一眼レフカメラのミラーボックス部品として30年以上の採用実績を持つもの。軟質ながら耐接触・耐水性に優れ、水洗いも可能という特徴があります。

つまり、文房具や測量用など、様々な用途に応用できそうですが、無反射定規は現在のところ試作品であり、市販はされていません。
ただし、希望があればオーダーメイドでの制作に応じるとのこと。今後も用途や条件に合わせてスペックを確認しながら提供していく予定だそうです。
投稿には3万件近くの「いいね」が寄せられるなど大きな反響を呼んでいます。暗素研によると「検査での利用を想定していましたが、測量や病理の分野からも『撮影に使いたい』という声がありました。さらにロービジョンの方から『反射が抑えられて見やすい』という意見もあり驚きました」と、製品の新たな可能性に手応えを感じたもよう。
加えて、「今回の反響を通じて、自分が知らなかった“反射の課題”を数多く知ることができました。今後も改良や開発を重ねていきたいと考えています」とコメント。
普段はあまり意識することのない“定規の反射”ですが、今回の取り組みは誰にとっても、見やすさや精度の向上に繋がる可能性を示しました。製品化の暁にはまさに“画期的すぎる”アイテムとして、更なる話題を呼びそうです。
光を吸収する定規をつくりました。
印刷 VS 無反射定規!
反射を抑えると、人にも機械にも読み取りやすい。 pic.twitter.com/n2gy7N3Ysw
— 暗素研 (@KoPro18) September 4, 2025
<記事化協力>
暗素研(@KoPro18)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025090904.html