シリーズ累計500万部を突破し、2011年の本屋大賞を受賞した東川篤哉の人気小説「謎解きはディナーのあとで」が、オリジナル音楽劇として新たに舞台化され、9月9日ついに幕を開けた。
■ 国民的人気ミステリーが音楽劇に進化
毒舌執事とお嬢様刑事の軽妙なやり取りと本格的な推理で知られる同作は、これまでにドラマ化・アニメ化も果たし、幅広い世代から支持を集めてきた。
今回の舞台版は、演劇ユニット「Mo’xtra」主宰の須貝英が脚本を手掛け、ミュージカル「アメリカン・サイコ」などを手掛けてきた河原雅彦が演出を担当。
新たなオリジナルストーリーとして構成され、音楽と笑い、そして謎解きが融合する作品に仕上がった。
影山役を務めるのは、舞台「破門フェデリコ~くたばれ!十字軍~」などで存在感を放ってきた上田竜也。

お嬢様刑事・宝生麗子役には、ももいろクローバーZの玉井詩織。そして麗子の上司である派手な御曹司警部・風祭京一郎役には、A.B.C-Zの橋本良亮が抜擢された。

さらに、舞台オリジナルキャラクターとして、ドイツ北部の公国公女であるマリアンヌ役に元宝塚歌劇団男役スターの凪七瑠海。料理人のファビアン役に植原卓也、公国公子のクラウス役に川久保拓司、クラウスの政敵アルベルト役にシューレスジョー、ツアーガイド兼霊媒師のゲルタ役に野口かおる、シュヴァルツクスト家の執事であるヘルマン執事役に大澄賢也ら個性豊かなキャストが脇を固め、物語に厚みを加える。


■ 演出・河原雅彦が語る「推理づくりの苦労」
演出を手掛けた河原雅彦は、「原作で、メインの3人のキャラクターはすでに固まっているので、“何を推理するのか”を作るのが一番苦労しました」と語り、出演者については「手のかからない役者たちでした」と、高い集中力と役への理解を称賛した。
■ 初日を迎えたキャストが手応えと意気込みを語る
初日の幕が上がった直後、キャスト陣も手応えを口にしている。
影山を演じる上田は、「大ヒットした小説が原作ですし、影山役は(櫻井)翔くんが演じていたということで、最初にお話をいただいた時は嬉しくもあり、プレッシャーでもありました」「このオリジナル舞台はエンターテイメントに仕上がっています。ぜひ観に来て笑ってストレス発散していただけると嬉しいです」と語り、観客に笑いと驚きを届けることへの意欲を示した。
玉井は「稽古が始まった当初は期間が短かったので不安もありましたが、先ほどお客様の反応をいただいて、頑張ってきてよかったなと思いました。千秋楽まで一日一日頑張りたいと思います」と手応えを語る。
橋本も「今作はオリジナルの舞台なので、風祭も舞台ならではのオリジナル風祭として立っていきたいです。オラオラしていない上田くんとはっちゃけている橋本を観られるのはこの舞台だけです。
また、元宝塚の凪七瑠海は「宝塚を卒業してから二作品目となりますが、とても新鮮な空気の中でお稽古することができました。カンパニーの雰囲気は和やかで、温和で優しい方々ばかりでしたし、笑いの絶えない作品なので笑いを耐えるというのがの試練でした」と稽古中の裏話を披露。
振付も担当する大澄賢也は「(上田)竜也くんはわからない所を真摯に尋ねてくれて、その素直さに感動しました。影山がリードしていくイメージを伝えると、探求心をもって研究してくれました」と稽古場での様子を語った。
■ 東京・大阪で上演、観客を待ち受ける「謎解きはディナーのあとで」
国民的人気を誇る原作の世界観を基盤にしながらも、舞台ならではのオリジナリティと音楽的要素が加わった新たな「謎解きはディナーのあとで」。
本作は、東京・日本青年館ホールで9月9日から23日まで上演されたのち、大阪・SkyシアターMBSで9月27日から10月1日まで上演される。
観客は毒舌とユーモア、そしてミステリーの仕掛けを堪能できる舞台を楽しめそうだ。
<写真クレジット:阿部章仁>
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025091003.html