日本でうなぎといえば、甘いタレをつけて香ばしく焼き上げた「蒲焼き」が定番のスタイル。白焼きなどもあるにはありますが、うなぎといえばやっぱり蒲焼き。「うなぎ」と「蒲焼き」はニコイチのイメージがあります。
しかしそれはあくまで日本の話。欧州の中でもイギリスに目を向けると、日本ではほぼ間違いなく見かけることのない「ゼリー寄せ」というスタイルで食べられているようで……。
■ 出張先で食べた、イギリスの伝統料理「うなぎのゼリー寄せ」
このほど古生物学者の相場大佑さんがXに投稿したのは、イギリスの伝統料理「うなぎのゼリー寄せ」の画像。

ぷるぷるとした透明のゼリーに、皮付きの鰻の身が包まれ、その上に香味野菜が添えられています。日本で目にする蒲焼きの逆をつくかのような、爽やかな見た目の料理です。
何も知らずにこの料理を目にしたら「さっぱりとした味なのかな?」と思ってしまいますが、相場さんによれば「夏休み明けの教室の水槽」のような味とのこと。夏休み明けの、教室の、水槽……?
鼻の奥に蘇ってくるのは、水槽にいる生き物と、加工された餌の臭いが混じり合った生臭さ。思わず顔を背けるほどの悪臭ではないですが、あまり長時間嗅いでいたくはない臭い。
あれが口いっぱいに広がる……?
相場さんがこの料理を口にしたのは、出張先のロンドン。同行者と「不味いらしい」と度々話題にしていたため、「実際に確かめないといけない」という気になり、食べてみたそうです。
味は先ほども述べた通り生臭さが強く、加えて「思ったよりしょっぱかった」と相場さん。そして塩味以外の味があまりなく、それがうなぎの生臭さを際立たせていたそうです。
■ 「美味しかった?」店員から感想を求められ、正直に答えると……
そして写真を眺めていて筆者が個人的に一番気になったのは「うなぎとゼリーが調和するのか?」ということ。
うなぎといえば身のふっくらとした柔らかさがひとつの魅力。それがゼリーのどろっとした食感にあうのかどうか。
味が駄目ならせめて食感だけでもマッチしていてくれ……そんな気持ちで相場さんに詳細をうかがってみると「小骨が邪魔でふっくら感などありませんでした」との答えが。さらに「うなぎの良さを全て台無しにしてる感がありました」とばっさり。
同じ皿をシェアしていた相場さんの同行者はこの料理について「川魚の調理法で一番やっちゃいけないやつ」と表現していたそう。
予想していた通りのクセ強な味に参っていた相場さんと同行者。そこへレストランの店員から「美味しかったか?」との質問が。
筆者なら愛想笑いで「イ、イエス」と言ってしまうところですが、相場さんたちは「好きになれない」と正直に回答。
すると店員は「私も」と返してきたとのことです。
イギリスの伝統料理ウナギのゼリー寄せ
夏休み明けの教室の水槽が口いっぱいに広がり、これ食いながら産業革命起こしたグレートブリテンさすがだなって感心した pic.twitter.com/q1FZyXhhEw
— 相場大佑:『アンモナイト学入門』 (@ammo_ammo_ammo) September 15, 2025
<記事化協力>
「相場大佑:『アンモナイト学入門』」(@ammo_ammo_ammo)さん
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025091704.html