三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題した...の画像はこちら >>


 「年中みかんのとれるまち」として親しまれている三重県御浜町。公式Xアカウントが先日、ユーザーにクイズを投げかけ、注目を集めています。


■ なぜ三重県御浜町に遊びに行く際は大量の100円玉が必要なのか

 公式Xアカウントが出したクイズの内容は「御浜町に遊びに来るときに大量の100円玉が大切なのはなぜ?」というもの。


 筆者が「大量の100円玉」を用意するタイミングといえばゲームセンターか、即売会に行くときくらい。しかし御浜町がわざわざその2つを宣伝するはずもありません。


 投稿のコメント欄には「自販機が多いからかなぁ」「ガチャガチャがあるのかな?」「バッティングセンターかな」といった声が上がっていましたが、いずれも不正解。


 引用リポストする形で明かされた答えは「みかんの手動販売機で使うため」というものでした。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
100円玉が大量に必要なわけ


 温暖で多雨な気候のため「年中みかんのとれるまち」としても親しまれる御浜町。収穫できる種類も多く、1年で楽しめる品種はなんと40種以上になるといいます。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
みかんカレンダー


 そして、そんな町のいたるところに「みかんの手動販売機」、つまり農家が設ける無人販売所があり、100円玉はそこで使用するためのものとのことです。


 実際に公式Xが引用リポストに添えた画像には、手作り感満載の無人販売所が写っています。年季と風情を感じる木の棚の上には美味しそうな色合いのみかんが置かれ、上部には「200円」と手書きされた小銭投入口が。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
手書きの「200円」


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
いたるところに無人販売所がある


 無人販売所のためお釣りが出ないので、小銭でぴったり用意する必要があるのです。


 Xの中の人によれば、町内に無人販売所が集合している場所は5か所。国道沿いや県道沿いに、1か所あたり15軒ほどの農家が展開しているとのことです。


 手作り感あふれる軒下に、人もなくみかんだけが置かれている様子は、無人販売所というより無人市。実際、御浜町のHP内でもそう表現されています。ついつい足を止めたくなる光景です。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
無人市


 さらにそうした無人市のほか、農家が独自で自宅付近に販売所を設けているケースもあり、町内全体で100軒以上は間違いなくあるとのこと。中の人は「もしかすると200軒、300軒くらい? あるかもしれません」とも話しています。


 そんな暮らしとみかんとが密接に結びついた御浜町について、中の人に詳しくお話をうかがってみました。

■ 御浜町で1番おすすめなみかんの、意外なビジュアル「未熟に見える姿とは裏腹に……」

――Xに上げていた手動販売機は200円でしたが、これは相場の価格なのでしょうか?


<中の人>
 200円~400円くらいが相場でしょうか。品種や量により価格は異なります。


 9~12月の温州みかんは1袋200円程度/1キロが相場と思います。(大きさにもよりますが1キロ約10~15個)


 1月~6月の晩柑類(ポンカン、不知火、セミノールなど)は品種によりますが、300~500円程度/1袋が相場でしょうか。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
セミノール


――先日近所で6個約400円で購入した身としては、羨ましい限りです……町では1年中、月ごとに違うみかんが採れるとのことですが、特におすすめな月や種類はありますか?


<中の人>
 なんといっても9月の「超極早生温州(ちょうごくわせうんしゅう)みかん」です。


――必殺技みたいな名前ですね。


<中の人>
 9月中旬、本州のみかん産地の中でも、特に早い時期に出荷が始まるこのみかんは、その青く未熟に見える姿とは裏腹に、甘味と酸味の絶妙なバランスを持っています(しっかり甘いんです)。


三重県御浜町ではなぜ大量の100円玉が必要?公式Xが出題したクイズに注目
超極早生温州みかん


 この時期にこれだけの品質の温州みかんは日本中どこにもない、と市場で評価されています。


 暑さ残る9月にぴったりで、3週間ほどしか流通しない、期間限定のプレミアムなみかんです。


――青いのに、甘い……。ぜひ食べてみたいです!東京でも売っていますか?


<中の人>
 御浜町のある三重南紀という産地は、全国のみかん産地の中でも規模が小さく、その中でもこの「超極早生温州みかん」はまだまだ収量が少ないため、東京へ出回るまでに至らず。


 中京圏を中心に店頭に並んでいます。


 関西圏では「あったよ」とフォロワーさんが教えてくれることもしばしば、です。


――むむむ。愛知方面に行くことがあれば、ぜひチャレンジします!ちなみにみかんを食べるにあたっては「そのまま」以外に、町ならではの食べ方や調理方法などはあるのでしょうか?


<中の人>
 みかんは基本的にそのまま、または生ジュースが一番美味しいです!


 本当にそれに尽きます。


――生ジュースも美味しそうです……!


<中の人>
 ちなみに、みかんではありませんが、「さんず」というこの地域の固有種の香酸柑橘(ゆず、すだちのような柑橘です)があるのですが、


 郷土料理の「さんま寿司」には、家庭で作る時にこの果汁を絞って酢代わりに使っていたそうです。


* * *


 1年を通してさまざまな種類のみかんが楽しめる、三重県御浜町。無人販売所巡りをして、いろんな農家のいろんなみかんを食べ比べるのも楽しそうです。


 訪れる際は100円玉をお忘れなく。


<取材協力>
三重県御浜町公式X(@MihamaTown_Mie)


<参考・引用>
御浜町公式HP「青を編む」


(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025112107.html
編集部おすすめ