ドラクエ好きの甥っ子へ 造形作家が贈った本気の「ロトの剣」の画像はこちら >>


 国民的RPG「ドラゴンクエスト」シリーズに登場する伝説の武器「ロトの剣」。ゲームファンなら誰もが一度は憧れるこの剣を、小学2年生の甥っ子のために本気で作ってしまった“職人”が現れ、Xで大きな話題となっています。


 公開された写真に写っているのは、鍔の部分に象られたロトの紋章、赤い宝玉を携えた紛れもないロトの剣。刃の長さこそ短くなっているものの、まさにゲームからそのまま取り出してきたかのような完成度となっています。



 手がけたのは、造形作家の「いち。」さん。制作のきっかけは、小学2年生の甥っ子さんからのリクエストだったそう。なんでも昨年からNintendo Switchでドラクエをプレイし始めたそうで、すぐにその世界観にどっぷりとハマっていったそうです。


 そして迎えたクリスマスの時期。甥っ子さんから「ロトの剣が欲しい!」と頼まれたため、いち。さんはその願いを叶えるべく、自らの手で伝説の剣を錬成(制作)することを決意した……という流れです。

■ 安全性とリアリティの両立

 公開された写真を見ると、重厚な金属の輝きや、柄に施された装飾の緻密さに目を奪われます。しかし、この剣には子どもが遊ぶための「優しさ」が隠されていました。


 いち。さんによると、なんと「刃は安全重視でスポンジ製」とのこと。チャンバラごっこなどで万が一当たっても痛くないよう配慮されています。


 一方で、柄(つか)の部分にはプロの技が光ります。パソコンの3Dモデリングソフトで設計データを作成し、3Dプリンターを用いてバイオプラスチック素材で出力。これにより、複雑な装飾も見事に再現されています。


ドラクエ好きの甥っ子へ 造形作家が贈った本気の「ロトの剣」
制作には3Dプリンターを使用


 制作期間は10月頃からクリスマス直前まで。年末の仕事が忙しい合間を縫って制作を進め、ギリギリで完成させたそうです。

■ 「小2サイズ」へのリサイズにおける苦労

 単にゲームのグラフィックを再現するだけでなく、いち。さんが最もこだわったのが「サイズ感」です。


 大人が持つサイズをそのまま縮小するのではなく、小学2年生の身長や体格に合わせて各部のデザインをリサイズ。持ち手の太さも、子どもの手に馴染むように調整されています。


ドラクエ好きの甥っ子へ 造形作家が贈った本気の「ロトの剣」
鞘やベルトも付属


ドラクエ好きの甥っ子へ 造形作家が贈った本気の「ロトの剣」
鞘やベルトも付属


 「小さくしても違和感のないようなデザインのバランスを考えるのにとても苦労しました」と、いち。さんは語ります。この徹底した計算によって、甥っ子さんが背負った時に最もカッコよく見える「ロトの剣」が完成しました。

■ 「勇者の剣だー!」枕元に置いて寝るほどのお気に入りに

 完成した剣は、鞘(さや)やベルトもセットにして、クリスマスプレゼントとして無事甥っ子さんの元へ。


 手渡した瞬間、甥っ子さんは「勇者の剣だー!」と満面の笑みで大興奮。「学校に持って行って友達に見せたい!」と駄々をこねるほど喜んでくれたそうです。


ドラクエ好きの甥っ子へ 造形作家が贈った本気の「ロトの剣」
大喜びしたという甥っ子さん


 現在は、毎日枕元に置いて一緒に寝ているとのこと。夢の中でも冒険を続けているのかもしれません。


 造形作家としての技術と、甥っ子を想う優しさが生み出した、世界に一つだけの「ロトの剣」。この剣を手に成長していく小さな勇者の冒険が楽しみです。


<記事化協力>
造形作家いち。さん(@ichizoukei)


(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026011606.html
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