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 現在、日本に存在するお城(天守)の中で最も大きいものは、復興したものを含めると大阪城の約55m(石垣含む)、築城当時から現存するものだと姫路城の約46m(石垣含む)だとされています。


 では一番小さいお城はなんでしょうか?広く知られているのは大分県にある杵築城のようですが……それすらも“超巨大”と評してまったく問題のない、“髪の毛と同じサイズ”のお城が誕生しました。


■ キャステムが公開した“福山城”にX民が困惑「何を言ってるんだ……?」

 広島県福山市にある精密鋳造メーカー・株式会社キャステムの新規事業本部「IRON FACTORY」の池田さんが、このほどXで紹介したのは髪と同じサイズで再現されたお城の画像。


 1枚目、キーボードの上に置かれたガラスプレートに写っているのは城とは到底思えない小さな点。米粒よりもさらに小さく、ともすれば埃か何かと見紛うようなサイズです。


世界最小クラスのお城が現る 髪の毛サイズの「ナノ福山城」に騒然
引きでみると白くて小さな粒


 しかし2枚目、拡大された画像に写っているのは石垣や天守閣の溝まで精密に表現した、紛うことなき“城”です。隣に並べられているのは髪の毛ですが、お城と同じスケールで見るとなんだか別の物体に見えてきます。


世界最小クラスのお城が現る 髪の毛サイズの「ナノ福山城」に騒然
拡大して見ると間違いなく城


 池田さんの投稿は5万件を超すいいねを集め、コメント欄には「何を言ってるんだ……?」「ど う や っ て」「AIだと言ってくれ頼むから」と困惑する声が続出。


 小さすぎるスケールゆえにとても信じられませんが、キャステムの公式YouTubeチャンネルでは実際の製作の過程が公開中。これを見ると、フェイクやネタではなく、正真正銘の“技術”であることがよく分かります。


世界最小クラスのお城が現る 髪の毛サイズの「ナノ福山城」に騒然
「ナノ福山城」の製作過程


 今回再現されたのは、キャステムがある福山市の福山城。


 1622年に徳川家康のいとこにあたる水野勝成によって築城され、公益財団法人日本城郭協会が定めた「日本100名城」にも選ばれている城です。


 この“ナノ福山城”は高さ0.2mm。実物の17万分の1のスケールとのことですが、城を特徴づける五重天守も再現されており、前情報や比較対象がなければそれが髪の毛サイズだとは到底思えません。


 いったいどのようにしてこのサイズの福山城を“築城”することになったのか、そしてどのようにして実現させたのか。池田さんと製作担当者に詳細をうかがってみました。

■ 髪の毛サイズのお城を作る「超微細3Dプリント」技術を広めたい!医療現場への応用も

−− どういったきっかけで「髪の毛サイズの福山城」を思いついたのでしょうか?


<池田さん>
 弊社がある福山市を地元企業として盛り上げたいという思いと、弊社の超微細3Dプリント技術を沢山の方に知ってもらいたいという思いで作りました。


 あえて目で見えないサイズで作り、福山市に寄贈することで話題性を狙いました。


 結果、想像以上にたくさんの方に驚いていただき、超微細3Dプリント技術に興味を持っていただけました。


 恐らく、世界最小のお城だと思いますので、日本だけでなく、世界にも届いてほしいと思います。


−− このサイズのお城は思いついても、作るのがかなり難しそうですが……どのような技術で制作されたのでしょうか?


<池田さん>
 キャステムと京都先端科学大学で共同研究を進めている世界最高精度の3D光造形装置Nanoscribeシステムを利用した超微細3Dプリントサービスを使用しています。


 積層2光子重合の3D造形技術とサブミクロンの分解能を持つIP樹脂を用いることで、従来の製法では不可能な形状や精度の製品を製造することが可能なシステムとなっています。


 この技術を使って今回のような面白いモノを作っているのはうちだけです。


−− この技術はお城を作る以外に、どんなことに使えるのでしょうか?


<池田さん>
 応用することで、刺しても痛くない医療用の針、血管内を映すカメラなど極小のレンズ、生物の一部をナノレベルで再現できる可能性があります。


−− 髪の毛サイズのお城の製作というのは、それだけでもかなり難しいかと思いますが、その中でも特に難しかった・苦労した点があればお聞かせください。


<製作担当者>
 微細な形状の部分がゆがんだり、うまくカタチにならず難しかったです。レーザーの出力を変えたり、造形のスピードを変えたりしてトライしました。


 また、薬品につける作業があるのですが、その薬品の種類を変えたりして、造形の工程の条件を変えて試行錯誤しました。


 試行錯誤して、うまく形にならなかったものが形になるというのはものづくりの醍醐味ですね。


−− 御社ではこれまでに「髪の毛サイズの戦艦大和」も作ったことがあるとのことですが、今後髪の毛サイズで作ってみたいものはありますか?


<池田さん>
 これまでも日清さんとコラボしてカップヌードルをナノサイズで作ったり、スグル食品さんとコラボしてビッグカツをナノサイズで作ったこともあります。


世界最小クラスのお城が現る 髪の毛サイズの「ナノ福山城」に騒然
髪の毛サイズの戦艦大和


 造形サービスも行っておりますので、ぜひこれを髪の毛サイズで作って欲しい!という御依頼を世界中の方からお待ちしております。


<製作過程の動画>


<記事化協力>
IRON FACTORY IKEDA さん(@IRON_IKEDA)


(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026011702.html
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