あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「...の画像はこちら >>


 スマートフォンやカメラの進化により、誰もが簡単に超高画質な写真を撮れるようになった現代。そんな時代に逆行するかのように、画像をあえて「劣化」させてしまうWebツールがXで25万件もの「いいね」を集める大反響を呼んでいます。


 それは、クリエイター兼ソフトウェアエンジニアの「ひやめし」さんがリリースした「HEISEI-VHS」。平成初期のビデオ映像を、黎明期のインターネットにアップロードして、劣化したような独特の質感を再現できる無料ツールです。


■ 「HEISEI-VHS」使ってみた 超簡単に「あの頃のホームビデオ感」がよみがえる

 記事化に際し、筆者も実際に「HEISEI-VHS」を使ってみたのですが、この絶妙な劣化具合……平成初期のホームビデオ感がバッチリ出ていてたまらない仕上がりです。


あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「HEISEI-VHS」が話題
平成初期のホームビデオ感がたまらない


あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「HEISEI-VHS」が話題
食べ物もそれっぽくなる


 使い方は非常にシンプルで、サイトにアクセスして変換したい画像をアップロードするだけ。たったこれだけで、最新のスマホで撮った写真が一瞬にして「あの頃」の雰囲気にタイムスリップします。


あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「HEISEI-VHS」が話題
使い方は非常にシンプル


あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「HEISEI-VHS」が話題
サイトにアクセスして変換したい画像をアップロードするだけ


 さらに各種パラメータを変更して、自分好みのノイズ感や色ズレに微調整することも可能。PCやスマホがあれば、誰でもブラウザから無料で利用できる手軽さも、大バズりした理由のひとつと言えるでしょう。


あえて“劣化”がエモい 平成初期のホームビデオ感を再現する「HEISEI-VHS」が話題
各種パラメータを調整することも可能

■ 単なるフィルタではない「物理シミュレーション」の凄み

 今回、開発者のひやめしさんに本作が生まれた経緯やこだわりについて話を聞きました。


 開発の一番のきっかけは、ひやめしさん自身が「平成初期頃のレトロなものや雰囲気が好きだから」とのこと。たしかに、ひやめしさんが制作した他のソフトウェアも、レトロゲーム風のグラフィックに変換するものや、レトロゲーム風BGMの音楽制作ツールなど、あえて当時の懐かしさを現代に再現するラインナップとなっています。


 そんな折リリースされたのが今回の「HEISEI-VHS」。実は本作は、以前よりリリースしていたAdobe After Effects用プラグイン「HEISEI」の最新バージョンという位置付けになります。


 しかし、単なるマイナーアップデートではありません。ひやめしさんによると、以前のバージョンは「雰囲気の再現」にとどまっており、内部処理も「フィルタの重ね掛け」だったそうです。


 一方、今回の「HEISEI-VHS」では、「VHSの映像を黎明期のネットにアップして圧縮された感じ」という超ピンポイントでマニアックな目標を設定。内部の計算を「信号の伝送から圧縮までの物理的なシミュレーション」へと根本から移行させたのだとか。


 この技術的なこだわりと探求心が、見る人のノスタルジーを強烈に刺激するリアルな質感を生み出しているのです。


 現時点でも十分な完成度を誇りますが、ひやめしさん自身は「自分の中ではまだ納得がいってない部分がある」と語っており、今後のさらなるアップデートにも期待が高まります。

■ 今後は動画版のデモ版配信も予定

 投稿には「めっちゃオシャレになる」「最近撮った写真なのに古く感じる」と、早速ツールを使った方からの称賛の声が多数寄せられています。


 なお、3月13日のひやめしさんのXへの投稿では、動画が劣化していくデモ映像も公開されていましたが、こちらの動画版はAfter Effectsのプラグインとして配信されているものとのこと。以前のバージョン同様、機能を制限した動作確認用のデモ版も準備する予定だそうです。


 最新機器で撮ったパキパキの高画質写真も良いですが、たまには「HEISEI-VHS」でノイズとスジまみれの思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。あの頃のネットサーフィンや、分厚いブラウン管テレビの前で過ごした記憶が鮮明によみがえってくるはずです。


<記事化協力>
ひやめしさん(@Hiyameshi_8bit)
HEISEI-VHS


(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026031902.html
編集部おすすめ