好きな単語を入力するだけで、AIがまるで本物のようなWikipedia風の記事を生成してくれるサイト「嘘ペディア」が公開され、ネット上で密かな話題を呼んでいます。
Xユーザー・「バールのような者」さんが開発したこのサイトは、その無駄に本格的な仕上がりから「時間が溶ける」「創作屋にはたまらない」と利用者を魅了しています。
■ 筆者の名前で生成してみたら……謎の「民間記録思想家」が誕生
どのくらい“それっぽい”記事ができるのでしょうか。筆者もさっそく自分の名前「山口弘剛」を入力し、ジャンルを「人物」に設定して「生成」ボタンをポチッ。およそ20秒で、ページの作りまでそっくりな嘘ペディアが生成されました。
完成した記事を読んでみると、筆者と同じ名前を持つ山口弘剛という人物は、岐阜県出身で既に亡くなっている「民間記録思想家、装置設計家、地方史収集家」として紹介されていました。山間部の災害記録や手書き索引の研究で知られた人物とのことです。ほほぅ……。
記事にはさらに詳細なエピソードが綴られており、木箱の内部を可変式の仕切りで分割して、災害記録や戸籍写しなどを同時に保管する「山口式索引箱」なる装置を発明したとされています。
また、傘の濡れ具合や屋根瓦の光沢から降雨量を推定する「雨量目視換算表」を開発し、防災史においては「先見的な現場主義者」と評される一方、図書館学では「分類を箱に押し込みすぎた人物」として半ば伝説化されているという、謎のリアリティに満ちた人物像が完成していました。
地方での活動に従事しつつも、どこか変わり者だったのかもしれない同姓同名の偉人。嘘であると完全に理解しつつも、どこかシンパシーを感じてしまう不思議な読後感がありました。
こうした嘘ペディアは「人物」以外にも「エンタメ」「社会」「文化」などさまざまなジャンルから生成可能。現在、無料版での新規生成は1日1回までの利用制限が設けられていますが、「おまかせ表示」や他のユーザーが作った「人気の嘘記事」などは何度でも閲覧することができます。
嘘なのに、妙に現実味あふれる嘘ペディア。ハマる人にはとことん刺さるサイトと言えそうです。
■ きっかけは本家WikipediaがAI生成を禁止したこと「逆に誤情報しかなければ面白いのでは」
このユニークなサイトはいかにして生まれたのでしょうか。開発者である「バールのような者」さんに話を聞きました。
普段はYouTubeへの映像作品投稿やVJとして活動している「バールのような者」さんは、自他共に認めるAIオタク。2024年の大学の卒業制作では、公衆電話ボックスの中に大規模言語モデル(LLM)を搭載し、AIと会話できるお化け屋敷を制作した実績も持っています。AIを「便利にするため」ではなく、「面白いと思ったものを実現するため」に使うのが自身のプレイスタイルだと語ります。
今回の嘘ペディア制作のきっかけは、WikipediaがAI生成コンテンツを禁止したというニュースを見たことでした。「逆にAIで汚染された誤情報しかないWikipediaを作ったら面白くないか」と思いつき、いてもたってもいられず一気に作り上げたそうです。
驚くべきことに、本人は「Hello World」すらわからないコーディング初心者とのこと。それでもAIコーディングエディタの「Claude Code」を活用し、思いついてから一晩でベースを作り、数日のブラッシュアップを経て、トータル3日もかからずに完成させました。アイデアさえあれば専門知識がない人でも形にできる、現代ならではの開発エピソードです。
■ ハルシネーションを逆手に 黄金比は「80%のリアルと20%のウソ」
開発において最も苦労したのは、記事を生成する際のAIへの指示(プロンプト)とのこと。「Wikipediaっぽく」と指示すると硬すぎて面白みのない記事になり、逆に「面白く書け」と指示するとふざけすぎてリアリティが失われてしまったそうです。
試行錯誤の末に辿り着いた設計思想が、「80%のリアリティと20%のウソ」でした。記事の大半をもっともらしく真面目に書き、ごく一部にだけ違和感を仕込むことで、絶妙に面白い記事が生まれるようになったのだとか。
中でも特にこだわっているのが脚注や出典の表現。学術論文のフォーマットをガチガチに踏襲しつつ、真面目な顔をして「巨大娘災害の分類と運用」といった微妙におかしいタイトルの文献を混ぜ込むことで、その世界が実在するかのようなリアリティを増幅させています。AIが平気でつく嘘(ハルシネーション)を逆手に取った、AIにしか表現できない魅力がここに詰まっています。
おすすめの遊び方としては、単語と単語を組み合わせると、面白い記事が出てくるとのこと。例えば「〇〇の軍事利用」「〇〇の宇宙開発」といった言葉を入力するだけで、意味のわからない壮大なプロジェクトの歴史が出力され、日々のくだらない空想や妄想が存在するかのように形になる楽しさが味わえるそうです。
■ 勢いで公開すると、API代が想像以上にかさんでしまう事態に
勢いで公開したという本サイトですが、現在「バールのような者」さんは予期せぬ事態に直面しています。収益化を考えずに公開した結果、裏側で動くAIのAPI代が想像以上にかさみ、大赤字に陥っているとのこと。そのため泣く泣く安価なモデルへとダウングレードして対応している状態です。
今月中には作り放題になる有料プランなどの課金形態を整える予定とのことですが、本家Wikipediaの運営手法にならい、現在クリエイター支援プラットフォーム「OFUSE」にてコーヒー1杯分からの寄付を募っています。予算に余裕が出れば、より質の高い記事を生成できる仕組みも整えていきたいと、意気込みを語ってくれました。
好きな単語を入れると、AIが「ありそうで無いWikipedia記事」を生成するサイトを作りました。
無駄に本格的で、ちょっと腹立ちます。https://t.co/Aj4Y6bcX66#嘘ペディア pic.twitter.com/xuiAKJYNw4
— バールのような者 (@doranobic) March 30, 2026
<記事化協力>
バールのような者さん(@doranobic)
嘘ペディア
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026040501.html
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