瓶に封じられた手紙が海や川を流れて、遠い場所の誰かに届く。そんなロマンあふれるボトルメールをWeb上で、そして「音楽」で行うことができるサイトが誕生しました。
■ 「Song Bottle」を使えば自分の人生には現れなかった楽曲に出会えるかも?
世の中に「知らない音楽と出会う」方法はさまざまあります。動画サイトや検索エンジンのサジェストなどもその1つですが、どうしても基準は自分自身になってしまいます。
これまでに自分が聴いてきた音楽に基づいて「あなたはこういうのが好きでしょ?」「こういうのがいいんじゃない?」とおすすめされる曲は、確かに好みに合ってはいるものの、どこか物足りなさも⋯⋯。
自分の人生を生きているだけでは出会うことのないジャンル、アーティストの曲を知りたい!そんな方も多いのではないでしょうか。
Xユーザーの「m1chie」さんがこのほど公開した「Song Bottle」は、ユーザーが選んだ1曲を、世界の誰かと交換することができるサイト。告知投稿が4月2日の時点で2.8万リポスト、9万いいねを超えるなど大反響を呼んでいます。
使い方はYouTube Music、Spotify、Apple Music、SoundCloudのURLを入力し、曲に応じて「落ち着く」「元気が欲しい」といった「気分タグ」を1~2つ設定するだけ。また、任意でメッセージを送ることも可能です。
必要な入力欄を埋めてから「曲を送る」をクリックすると、選んだ曲は“漂流”を経て世界の誰かに届き、そして知らない誰かからの曲も自分の元に届きます。
サイトは画面右上のボタンから英語、日本語、韓国語、中国語(繁体、簡体)の5パターンの言語を選ぶことができるため、文字通り世界中と繋がることができるのです。
人の音楽の好みには、これまでに歩んできた人生が少なからず反映されているのではないでしょうか。音楽を通じて誰かの人生の一端に触れることができる「Song Bottle」というサイト。制作者のm1chieさんに、詳しくお話をうかがってみました。
■ ユーザーに楽しんでほしいのは「音楽との出会い」と「見知らぬ人との緩い相互干渉」
――「Song Bottle」はどのようなきっかけで生まれたのでしょうか?
私は元々VRChatでワールドを作っていて、そのひとつに「音楽を流して風景の変化を楽しむワールド」というものがありました。
そこで夜ふかしをしてずっと友達と好きな曲を流しあった体験が原風景としてありますね。
そんな折、少し前に 4×4 Pixel Diary というピクセルアートをランダムに交換できるサービスが流行りましたよね。
それを見て「交換できるのが音楽だったらいいのにな」と思っていました。
――ありましたね、ピクセルアートの交換サービス。そこからの着想だったのですね。
その時はウェブアプリの知見が全くなく制作には取り掛からなかったのですが、昨今のAIコーディングの発展から、「今なら自分でも作れるかも」と思い勢いで作りました。
――知見ゼロから!?すごいですね⋯⋯ユーザーにはサイトを通じてどのような体験をしてほしいですか?
「自分が知ることのなかった音楽と出会う喜び」というのはもちろんなのですが、さらにいえば「見知らぬ人との緩やかな相互干渉」を楽しんでほしいなと思っています。
――「気分タグ」を用意しているのもその一環でしょうか?
はい。音楽と一緒に送り主の感情をわずかでも届けてほしいと思ったからです。
わずかな手がかりからでも、「向こう側に人間がいるんだな」という体温のようなものが感じられるとよいなと。
――1曲ずつの交換としているのも、何か理由があるのでしょうか?
これによって、単純な「データの登録と引き換え」ではなく、「見知らぬあなたと私のやりとり」として受け取ってもらえると嬉しいなと思っています。
このあたりのエモーションは、学生時代に聴いていた槇原敬之さんの「僕の今いる夜は」という曲の歌詞に影響されているかもしれません。
「目に見えないだれかを思う気持ちが、音楽に乗ってだれかに届く」
という体験を作ってみたかったんですよね。
■ 想像を超える反響に驚き「好きを誰かに伝えたい、という需要は大きかったんだな」
――サイトはかなりの反響を呼んでいますが、率直なお気持ちをお聞かせください。
友人とその周りで数週間くらい緩やかに利用されて終了する、みたいなイメージで公開したので正直かなり驚いています!
おかげ様で私自身も毎日新しい音楽に出会えて楽しいですね!
――ユーザーからはどんな声が出ていますか?
感想などを見ていると、音楽が好き、知らない音楽との出会いが楽しいというのもあったのですが、「自分の好きを誰かに伝えたい」という需要が想像よりも大きかったんだなという発見もありました。
知らない音楽を受け取るのも、好きな曲が見知らぬだれかに聴いてもらえるのもどちらも嬉しいからこそ、これだけ爆発的に流行ったというのはあるんだろうなと今では思います。
――今後サイトに新しい機能など追加していく構想はありますか?
今はとにかく安定して動作させることと、ハラスメント対策を何とかしないといけないなというところです。
新しい機能としては、できるかわかりませんが自分の交換履歴から各プラットフォーム向けのプレイリストを出力する機能などは考えていますね。
あとはとりあえずサーバー費用を何とかしないといけないので、寄付機能は追加させてください(笑)
音楽のボトルメッセージを流すサイトを作りました。
「1曲送ると、知らない誰かの曲が1曲届く」
ログイン不要で
YouTube / Spotify / Apple Music / SoundCloud のURLを送るだけです。
世界中の「だれか」が流す音楽を聴いてみたいので、ぜひ拡散お願いします!https://t.co/mGUDtlNzNW
— m1chie (@m1chie_0408) March 30, 2026
<記事化協力>
m1chie さん(@m1chie_0408)
「Song Bottle」
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By ヨシクラ ミク | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026040401.html
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