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 4月12日午前、京成押上線の四ツ木駅で発生した人身事故に関連し、その関心の高さに乗じて大手ニュースサイトを装った不審なURLへ誘導するポストが、X上で短時間に大量投稿される事態が確認されました。


 不用意なアクセスは思わぬ被害を招く危険性があり、厳重な注意が必要です。


■ 大手ニュースサイトの記事リンクを偽装 一般装う「感想ポスト」を混ぜ込む手口

 不審なポストの多くは「京成押上線 四ツ木駅の人身事故の映像みたいです」といった文言で始まり、実在するニュースサイトや報道機関の名称を冠した記事タイトルと共にURLが貼り付けられています。


「人身事故の現場映像」不審リンクがXに大量投稿 ニュース装い外部サイトへ誘導
人身事故の現場動画と称し、大手ニュースサイトの記事リンクに見せかけた不審なURLをポストするXアカウント


 特徴的なのは、URLの「https」から「h」を抜いた状態で投稿されている点です。これによりリンクとして認識されずクリックできないため、「映像が衝撃的なので直リンクは避けています」といった説明を添えることで、閲覧者にURLをコピー&ペーストさせ、ブラウザで直接開かせるよう誘導する巧妙な仕掛けとなっています。


 誘導先のドメインには「yahoo-news.click」など、一見すると「Yahoo!ニュース」の正規ドメインや短縮URLを想起させる文字列が使われています。しかし、編集部が確認したところ、これらのドメインはLINEヤフー株式会社とは無関係のレジストラ(ドメイン登録業者)を通じて取得されたものであることが判明しました。正規サービスを連想させる名称を用いることで、信頼性を装う狙いがあるとみられます。


「人身事故の現場映像」不審リンクがXに大量投稿 ニュース装い外部サイトへ誘導
ポストされたURLのドメイン「yahoo-news.click」はヤフー株式会社と無関係の第三者が保有


 また、これらを投稿しているアカウントは、当該ポストの前後で「運行情報と一緒に動画が流れてきた」「事故の瞬間が凄惨すぎてショック」など、ニュースに対する個人の感想を装うポストを連投しています。あえてURLを含まない投稿を混ぜることで、機械的なスパムではなく一般ユーザーによる自然な投稿に見せかける狙いがあると考えられます。


「人身事故の現場映像」不審リンクがXに大量投稿 ニュース装い外部サイトへ誘導
URLを含まない「感想ポスト」を混ぜることで閲覧者を信じ込ませようとする動きも

■ アクセス先では多重リダイレクト 目的は「特定個人へのポイント付与」か

 編集部で当該URLの挙動を調査したところ、アクセス直後に「【人身事故】京成線 四ツ木駅 事故瞬間の映像」と記された偽のリンクボタンが表示され、即座に外部サイトへとリダイレクト(自動転送)される仕組みを確認しました。


「人身事故の現場映像」不審リンクがXに大量投稿 ニュース装い外部サイトへ誘導
URLにアクセスすると、何重にもリダイレクトされる仕掛けが


 転送プロセスは多段階にわたっており、最終的には「tiktok」「incentive」「gift」「share」といった文字列を含むURLに到達します。その内容から、TikTokのユーザー招待キャンペーンにおける報酬(インセンティブ)を、特定のユーザーに付与させることを目的とした紹介リンクである可能性が高いとみられます。


「人身事故の現場映像」不審リンクがXに大量投稿 ニュース装い外部サイトへ誘導
最終的には、特定個人へのポイント付与と思われるURLにアクセスする

■ 今回の目的はインセンティブ誘導か 同様の手口は他事案でも拡散の恐れ

 今回は、最終的にTikTokの紹介インセンティブ獲得を狙った何者かによる行為だと考えられますが、それで安心できるわけではありません。


 実在するニュース記事を装って外部サイトへ誘導するこうした手口は、同じ形式のまま、より悪質な詐欺サイトへの誘導やマルウェア感染を狙う手段として悪用されるおそれもあります。


 いずれにしろ、不審なURLには「触れない」ことが鉄則です。

どうしても情報の真偽を確認したい場合は、SNS上のリンクを辿るのではなく、ブックマークや公式アプリから正規のニュースサイトへ直接アクセスして記事の有無を確認してください。また、ドメインの所有者情報を検索できる「Whois」サービス等を利用し、URLの正当性を確かめることも有効な自衛策となります。


 加えて、今回は京成押上線の四ツ木駅で発生した人身事故が利用されましたが、こうした手口は話題性の高い事件や事故、災害などでも同様に使われる可能性があります。Xに限らずSNS上でこの種の投稿が流れてきた際は、安易に飛びつかず、一度立ち止まって内容やURLの正当性を確認する姿勢が求められます。


(天谷窓大)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 天谷窓大 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026041301.html
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