昨年、アメリカで行方不明になっていた16歳の少女が、TikTokで広まったハンドサインを使って助けを求め、無事に救出された事件をご存じだろうか。声が出せない場面などで、このハンドサインを使って助けを求める動画が、さまざまなSNSで拡散された結果、幅広い年齢に周知されることとなったのである。

2022年5月13日に投稿された、羊の目。@odorukodomo8910さんの、「手と手と手①」というツイートには、男の子がハンドサインを使って助けを求める漫画が添えられている。この投稿には8.5万件を超える「いいね」がつき、多くのツイッターユーザーたちからの反響を呼んだ。

今回は、助けを求めるハンドサインの詳細と、コメント欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。

覚えておこう、助けを求めるハンドサイン

この漫画は小学生の女の子2人と、泣いている小さな男の子との出会いからはじまる。優しい小学生の女の子たちは、男の子に駆け寄ると「どうしたの?」と優しく尋ねるのだが、すぐに男の子の母親らしき女性が現れ、男の子は心配した女の子2人から引き離されてしまう。その時、男の子は母親に引きずられながらも、女の子2人へ向けてSOSのハンドサインを出すのだった。男の子の異変を察した女の子2人だったが、ちょうどそこへ女の子の兄が通りがかり、物語はさらに展開していく、という流れである。

TikTokで拡散された“ハンドサイン”で子どもが助けを求め...の画像はこちら >>

(画像は「羊の目。(@odorukodomo8910)さん」提供)

男の子が出した助けを求めるハンドサインは、まず相手に手のひらを見せ、次に親指を折り込む。そして、最後に親指を閉じこめるようにグーを作るという、とても簡単なものだ。
万が一、自分の身に何かあった時のため、また、このサインが何を意味するのかを知っていれば、サインを出している人のSOSにも気付けるので、ぜひ読者の皆さんにも、この機会に「助けを求めるハンドサイン」を覚えておいてほしい。

ハンドサインの発祥はカナダ!

このツイートを読んだツイッターユーザーたちからは、「周知徹底させないとわからないかもしれない…。大人も知っておきたいことですね」との意見や、「知らなかった。これはもっとみなさんに見てもらうべきです!」「これがSOSのサインだってわかってるのが凄い!! 私も覚えておきます」など、さまざまなコメントが寄せられている。

「Signal For Help」と呼ばれる、このハンドサインの発祥はカナダであり、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年に、家庭内暴力にあっている被害者が、声を出さずに助けを求められる手段として、カナダ女性財団がメディア企業Juniper Parkと共同で考え出したものだそうだ。ハンドサインがTikTokなどで拡散されたため、今では家庭内暴力にとどまらず、幅広い意味で第三者に助けを求めるハンドサインとして定着しつつある。

とはいっても、まだまだ日本では一部の人しか知らないのが現状だ。かくいう筆者も、このハンドサインの意味を最近、知ったばかりである。

ツイッター上には「この漫画がなければずっと知らなかったかもしれない・・・覚えておきます!」といった声もあり、羊の目。さんの漫画が犯罪の防止に一役買ってくれたであろうことは言うまでもない。

世界共通のSOS

今回ご紹介したハンドサインは、世界中どの国で使っても助けを求めることができる。いわば、SOSを伝える共通言語のようなものだ。ハンドサインを提唱したカナダ女性財団は、「あなたがサインの使用者を目撃した場合は、安全な方法でその人に、『何が必要なのか』『何をしてほしいのか』を確認してほしい」と述べている。あなたの勇気で、助かる命があるかもしれない。

今回ご紹介した漫画は①なので、投稿者の羊の目。さんのツイッターから、現在は②まで読むことができる。勇敢な兄の登場で物語はどうなっていくのか、また、泣いていた小学生の男の子は母親の魔の手から逃れられたのだろうか、気になる人はぜひ物語の続きを追ってみてはいかがだろうか。

※サムネイル画像(Image:「羊の目。(@odorukodomo8910)さん」提供)

By OTONA LIFE
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