Windows 11はシステム要件を満たしていないパソコンでも、アップグレードできる裏技があります。ところが、そのパソコンではメジャーアップデートの「22H2」が適用できません。
システム要件を満たさないパソコンでもWindows 11にアップグレードできるが……
2021年10月にリリースされたWindows 11ですが、意外とシステム要件が厳しく、4~5年前に購入したパソコンでもアップグレードできないことがあります。
しかし、「Rufus」という無料のUSB書き込みツールを利用すれば、わりと簡単にWindows 11のシステム要件チェックを回避して、非対応のパソコンにインストールすることが可能となっています。
このシステム要件を回避する方法はMicrosoftが公式サイトで公開しており、「Rufus」はそれを自動的に行ってくれる便利なツールなのです。
そこで筆者は、Rufusを利用してシステム要件を満たしていない古いパソコンをWindows 11にアップグレードしてみました。詳しい手順はこちらで確認してください。
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それから半年が経過し、2022年9月20日にメジャーアップデート「22H2」が公開されました。この22H2ではセキュリティの向上はもちろん、数多くの新機能が搭載されています。22H2の便利機能や仕様変更された部分に関してはこちらの記事が参考になるでしょう。
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ところが、システム要件を満たしていないのにWindows 11へアップグレードしてしまったパソコンは、最新のメジャーアップデート「22H2」を適用できないのです。
一旦、Windows 11にした以上、今後も安全に使い続けるには、22H2の適用が欠かせません。そこで今回は、システム要件を満たしていないパソコンでもWindows 11の22H2にアップデートする方法を紹介したいと思います。

Windows 11のシステム要件は意外と厳しく、筆者の古いパソコンはTPM2.0への対応とCPUが条件を満たしていないと判定されてしまった

システム要件を回避できるツール「Rufus」を使って、無理やりWindows 11にアップグレードしたものの、最新の「22H2」は適用できないと判定されてしまった。これは困った……
Windows 11「22H2」のIS0イメージファイルを入手する
それでは、どうすればWindows 11の最新版22H2を、システム要件を満たさないパソコンにインストールできるのでしょうか?
その答えは簡単です。やはり「Rufus」を利用して、システム要件のチェックを回避できる22H2対応Windows 11インストール用USBメモリを作成すればいいのです。
まずは、Microsoft公式サイトの「Windows 11 をダウンロードする」ページを開いたら、画面を下にスクロールして、「Windows 11 ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする」からISOイメージファイルを入手しましょう。
●Microsoft「Windows 11 をダウンロードする」は→こちら
■Windows 11 2022 UpdateのISOファイルをダウンロードする手順

Microsoft「Windows 11 をダウンロードする」ページを開いたら下にスクロール。「Windows 11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする」の「ダウンロードを選択する」から、「Windows 11(multi-edition ISO)」を選択しよう(画像はMicrosoft公式サイトより転載)

次に「ダウンロード」をクリックしたら、「製品の言語の選択」で「1つ選択」のタブから「日本語」を指定して「確認」を押そう(画像はMicrosoft公式サイトより転載)

「Windows 11 日本語」の「64-bit ダウンロード」をクリックすると、ISOファイルのダウンロードが始まるはずだ(画像はMicrosoft公式サイトより転載)

このISOファイルは5GB以上あるのでネット環境によってはかなり時間がかかる。ダウンロードが完了したらChromeの場合は「フォルダを開く」を押してダウンロードフォルダ内に「Win11_22H2_Japanese_x64v1.iso」があることを確認しよう(画像はMicrosoft公式サイトより転載)
「Rufus」を利用して「22H2」インストール用USBメモリを作成する
22H2対応のWindows 11のISOファイル(Win11_22H2_Japanese_x64v1.iso)をダウンロードしたら、次に「Rufus」を公式サイトでダウンロードします。2022年10月時点でのファイル名は「rufus-3.20exe」です。
●Rufusは→こちら
なお、この作業で利用するUSBメモリは容量が「8GB」以上のものでないとダメなので事前に用意しておきましょう。
8GB以上のUSBメモリをパソコンに挿したら、「rufus-3.20exe」をダブルクリックして起動します。Rufusはパソコンにインストールする必要はないので、そのままアプリが起動するはずです。
Rufauが起動したら「デバイス」はUSBメモリ、ブートの種類はISOファイルをドラッグして登録しましょう。
■「Rufus」でインストールUSBメディアを作成する手順

まず、パソコンの8GB以上の容量のあるUSBメモリを挿そう。中身はすべて消えてしまうので要注意。万一のことを考えてほかのUSB HDDなどは外しておくほうがいいだろう(筆者撮影)

次にRufusの公式サイトを開いたら画面を下にスクロールして、「Rufus3.20」をクリックする。ダウンロードが終わったら「フォルダを開く」を押して「rufus-3.20exe」があるのを確認しよう(Chromeの場合)

ダウンロードフォルダにある「rufus-3.20exe」をダブルクリックしよう。パソコンにインストールされることはなく、すぐにRufusが起動するはずだ

Rufauが起動したら「デバイス」はUSBメモリ、ブートの種類はISOファイルをドラッグして登録しよう。準備ができたら「スタート」を押す

カスタム画面が表示されたら、「Remove requirement for 4GB+ RAM,Secure Boot and TMP 2.0」にチェックを入れて「OK」を押す。このあと警告画面が表示されるが、USBメモリの中身はすべて消去されるので、くれぐれもデバイスを間違えないように注意したい

数分待つと作業は完了する。終わったら「状態」項目の緑のバーが「準備完了」と表示されるので「閉じる」を押して終了しよう
USBメモリから「22H2」対応Windows 11をインストールする
Rufusで作成したインストール用USBメモリを、対象のパソコンに挿すと自動的にWindows 11のISOファイルがマウントされます。
エクスプローラーにある「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」というドライブを開くと、そのなかに「setup.exe」があるので、ダブルクリックして起動しましょう。
すると、「Windows 11のインストール」ウインドウが表示されるので「次へ」をクリックしてインストールを開始します。
もちろん「このPCは現在Windows 11のシステム要件を満たしていません」といった警告などは表示されることはなく、普通にインストール作業を行えるはずです。
あとは、ウィザード画面に従ってクリックしていくだけ。
途中、何度か再起動されログイン画面が表示されたら、Microsoftアカウントでログインしましょう。パソコンによってはインストール作業に1時間以上かかる場合もありますが、気長に作業完了を待ちましょう。
■USBメモリから22H2をインストールする手順

USBメモリをパソコンに挿すと「CCCOMA_X64FRE_JA-JP_DV9」というドライブが自動的に開くので、なかにある「setup.exe」をダブルクリックする

すると、「Windows 11のインストール」ウィザード画面が起動するので、画面右下の「次へ」をクリックする

「更新プログラムをダウンロードしています」画面が表示されるので、しばらく待とう。この作業は多少時間がかかる

ライセンス画面が表示されたら、画面右下の「同意する」をクリックしよう

「インストール準備完了」と表示されたら「個人用フォルトアプリを引き継ぐ」にチェックが入っているのを確認して、画面右下の「インストール」をクリックする

すると、青い画面に切り替わり22H2対応Windows 11がインストールされる。この作業はパソコンによっては1時間以上かかることもある

黒い画面が表示され何度か再起動したら、途中でログイン画面が表示されるのでログインしよう。その後、この画面が表示されれば、22H2のアップデート作業はもうすぐ完了する
まとめ
いかがでしょうか? システム要件を満たしていない古いパソコンでも、Rufusを利用することでWindows 11の最新版22H2を適用できることが、お分かりいただけたと思います。
筆者が今回の手順でアップデートしたあと、パソコンの設定でシステムを開いて確認したところ、しっかりWindows 11のバージョンは「22H2」になっていました。
もし、パソコンでさほど重い作業をしないなら、6~7年前の古いパソコンでも十分現役で使えるでしょうから、是非試してみてください。

「設定」→「システム」で「バージョン情報」を確認してみたところ、しっかりWindows 11のバージョンが「22H2」にアップデートされているのが確認できた
By OTONA LIFE