人口減に伴う働き手不足により、“スキマバイト”など新たな働き方に注目が集まっている。リユースPC事業を展開するリングロー(東京)は、社員が自分にとって大切な日を“自分の祝日”として自由に休める「my祝日制度」導入も話題となったが、新たに人事採用業務の一部を「完全時間自由型」で業務委託する取り組みを開始した。

 育児・介護・療養などで決まった時間に働けない人が、“自分のタイミングで働ける”新たな働き方の選択肢を得られるようにする制度で、実務はマニュアル化されていて基本的なPC操作ができれば取り組める仕事が中心のため、専門的なスキルや豊富な職歴が求められない点が画期的。「スキルがないから」と働くことを諦めてきた人も無理なく始められるのだ。

 3児の母で、この制度を通じて現在活躍している石田さんは、「仕事をしたい気持ちはずっとありました。でも、子どもの預け先が見つからず、願書を出し続けてもダメで・・・気付けば10年。ようやく下の子が幼稚園に入園できて、“今なら少し働ける”というタイミングでこの制度に出会いました。限られた時間の中でも、社会とつながり、自分の経験が役に立っている実感を得られるのは本当にうれしいです」と語る。リングローは、この制度の活用範囲をさまざまな部署へ広げていく予定。時間や場所にとらわれない関わり方を整えることで、世の中のニーズに沿った働き方の提供を実現し、組織全体の生産性と定着率の両立を目指すという。働きたい人にとっても社会にとってもうれしい取り組みだろう。

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