缶詰には当然、中身を説明したラベルが貼ってある。でもこれも、考えてみれば紙やインク、接着剤からこれを缶に貼りつける行程まで、さまざまな資源を消費している。

そこで世界一長い魚市場を有する宮城県石巻市から、サステナブルな新提案が出された。ラベルレスのさば缶詰(ビッグゲート・宮城県石巻市)だ。ふるさと納税の返礼品として、5月16日から各種ふるさと納税ポータルサイトで受付が始まる(楽天ふるさと納税のみ受付中)。

 缶詰製品には、商品名や原材料、栄養成分表示、製造者情報などを記載した紙製のラベルが貼付されるのが一般的。印刷するためのインクや紙といった資源を消費し、缶本体に接着するためののりも必要。使用後の分別回収の際には、ラベルをはがすという消費者の手間が発生し、はがし残しがあるとリサイクルの妨げになる可能性も指摘されている。

 そこであえてラベルの使用を一切廃止。缶本体やこん包資材に必要最低限の情報を直接印字するという方法を採用した。これで製造時の資源使用量を大幅に削減できるだけでなく、ラベルの製造工程におけるエネルギー消費も抑えることができる。廃棄時の分別も簡単だ。紙ラベルが混入しないことで、金属のリサイクル工程における不純物が減少し、より高品質なリサイクル材の回収も可能になる。

 缶詰に使用するサバは国産サバだけを厳選。

素材本来のうまみを引き出す「水煮・食塩不使用」で作られ、減塩を心がける健康志向の人にも安心だ。賞味期限は約3年間で、防災・備蓄にも適している。

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