来年は午(うま)年。年賀状を書く人が減って、えとを意識する機会も減ってしまった気もするが、それでもこの時期、翌年のえとをデザインしたさまざまなものが店頭に並び始める。
「飛騨一位一刀彫」は江戸時代末期、彫師・松田亮長(まつだすけなが)により生み出されたといわれる飛騨地方の伝統工芸品。高山市の木でもある銘木「イチイ」を使用し、木目の美しさを生かしながら彫刻刀だけで仕上げる。「イチイ」には雷が落ちないという伝説があり、古くから災難が起こらない縁起の良い木として使われてきたという。
江戸時代から続く高山市内の彫刻店、「津田彫刻」では、兄弟で毎年この時期に新年のえとの置物を作っており、今年も10月から作業が始まっている。イチイの木材を30種類以上の彫刻刀で木目がきれいに出るように丁寧に曲線を削っていく。津田さんは「何でもうまくいき、馬のように駆け上がっていく一年になりますように」と話している。
置物は全長約9センチの小さいものから約20センチの大きなものまであり、約200体を作るという。











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