プラスチック素材が普及する前の昭和期、ブリキ缶は、お菓子や日用品、贈答品に至るまで、暮らしの中で欠かせない存在だった。硬くて丈夫なブリキ缶は、現在でも特別感のあるパッケージとして広く愛され続けている。

そんなブリキ缶の歴史をたどる企画展。2025年が「昭和100年」にあたることを記念し、東京・品川区にある「容器文化ミュージアム」(東洋製罐グループホールディングス・東京)で12月15日(月)~2026年2月20日(金)まで、「第24回 容器の小さな企画展『昭和の缶に、恋してる レトロブリキ缶コレクション』」が開催される。

 長年にわたり東洋製罐グループと協力関係にある金属印刷業の神光(大阪府吹田市)から、工場内で保管されていた多種多様な缶の寄贈を受けて実現した企画。寄贈品を中心に、昭和の暮らしに彩りを添えた貴重なレトロ缶を展示。同グループが包装容器事業で培ってきた知見を生かした缶の構造やデザイン、製缶技術を通して、昭和の消費文化を学び、缶の魅力を再発見することができる。神光の創業者・小河薫会長からの当時の貴重なエピソードも交え、ブリキ缶が身近であった時代の生活を感じられる展示内容となっている。

 例えば、販促用に使用されたと考えられる「インスタントコーヒーサーバー」、円筒状の「ロールカステラ用巻き取り缶」、結婚式の引き出物などに用いられたと推察される「紅白角砂糖用のふた付き角型缶」、大阪銘菓である「粟おこしのふた付き缶」など。

 入場無料。開館時間は9時~17時。期間中の休館日は、土・日・祝日、年末年始(12月29日~2026年1月2日)。

 容器文化ミュージアムは、容器包装の中に隠れているさまざまな秘密を「ひらく」施設。容器について広く理解と親しみを持ってもらうことを目的に、容器包装が生み出した文化情報を発信。

文明の誕生と容器の関わりから最新の容器包装まで、その歴史や技術、工夫を展示している。

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