今年も米の値段に一喜一憂。「令和の米騒動」とも言われ、主食を生産する農家や流通の仕組みに誰もが目を向けた。

裏を返せば、今まで農家の苦労から食卓までの道のりに、関心を持たなかった人が多かったということでもある。お米の味に意見する余裕がなくなってしまった人も少なくない。そんな中、米農家の人々と、日々米を食材として使う料理人に光を当て、既存にはない視点で「日本米」を読み解いた『本当に美味しい日本の米』(誠文堂新光社、税込み4730円)が12月22日(月)に発売される。改めて米を味わうことに焦点を当てた一冊。

 「和の美 食の美 温故知新」シリーズ第3弾。過去の減反政策や米の流通、価格、JAや農協の流通システムなど、政治的な部分をクローズアップするのではなく、「本当においしい米とはどんなものか」を知りたいと思っている人たちに向け、役に立つ内容を目指した。日本の米づくり名人10人が登場、料理人の米対談や米専門店の声、和食のサイエンスなど、視点もさまざま。年末、ページをめくりながら、主食のおいしさをもう一度かみしめることができそうだ。

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