一般参賀の日の朝は早いです。もう20年は通っているような気がしますが、新年の恒例行事となっています。
午前中の回はたくさんの皇族方がお出ましになるので参加者も多く、大通りにまで列ができていました。警察の誘導によって1列ずつ進み、厳重な手荷物検査、ボディーチェックを経て広場でまた列ごとに待機。毎回、愛国者の方々の大きな旗はどうやって手荷物検査をくぐり抜けているのか謎です。
上空からモーター音がして、前に並んでいる80代くらいの上品な老婦人が「あら、ドローンが飛んでいるわ」とつぶやきました。不思議なことに毎年この日はだいたい晴れるので、日光の暖かさでそんなに寒さを感じません。インペリアルパワーでしょうか。
でも暖かいからといって脱ぐというのは許されません。そのあとのニュースで知りましたが、午後の2回目に、長和殿前の広場で20代男性が突然裸になり、柵を乗り越えるという奇行に及んで現行犯逮捕されたそうです。この不品行な男性の裸体が清らかな愛子様の視界に入ったかもしれないと思うと、老婆心が痛みます。
私が午前に拝見したお出ましは、そんなハプニングが起こるなんて全く感じさせない平和な雰囲気でした。天皇皇后両陛下は穏やかな微笑(ほほえ)みを浮かべられ、上皇陛下と上皇后陛下も仲睦(むつ)まじそうに寄り添われています。今回がデビューとなる悠仁様もモーニングコート姿で優雅にお手振り。愛子様も発光しているような神々しさです。
背が低いので背伸びして一瞬眺めて、必死でベランダを撮影。あとから見返したら、天皇皇后両陛下の立ち位置から秋篠宮様がかなり距離を取っていて、右の高円宮ファミリーが端っこに追いやられていました。さらに紀子様と佳子様の間にも微妙な間隔が。心理的距離を感じさせる立ち位置が国民へのメッセージに・・・? 考えすぎでしょうか。
SNSに投稿したら「会社の役員や幹部の写真撮影でも同じことが起こります」というコメントが。やんごとなき方々もいろいろ大変だと思うと恐れ多くも親近感が芽生えました。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.3からの転載】
辛酸なめ子(しんさん・なめこ)/ 漫画家、イラストレーター、コラムニスト。
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