物価高や原材料高騰に揺れた一年を経て、国民食であるおにぎりは今、大きな転換期を迎えているようだ。

 一般社団法人おにぎり協会(神奈川県鎌倉市)は、主要コンビニ各社の2025年実績をまとめた「コンビニおにぎり調査2025」の結果と、2026年のトレンド予測を発表した。

 2025年のコンビニおにぎり界を象徴するのは、「定番具材の圧倒的な強さ」だ。主要4社(セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップ)すべての年間ランキングで1位を独占したのは、やはり「ツナマヨ」だった。

 驚くのは、その「価格」の変化。2024年と比較すると「ツナマヨ」の価格は、セブン-イレブンでは128円から178.20円へと約50円アップ。ローソンでも157円→181円、ミニストップで118円→159.84円、ファミリーマートに至っては155円→198円に達するなど、かつての「手軽な軽食」という価格イメージは過去のものとなりつつある。

 しかし、どれほど値上がりしても消費者が選んだトップはツナマヨ。2位以降も、サケや昆布といった定番が並ぶ。同協会は、この現象を「忙しい日常の中、短時間で確実に満足を得たい」という生活者の切実な心理の表れであると分析している。

 2025年は、おにぎりの「二極化」が戦略的に組み込まれた年でもあった。米やノリのコスト増を受け、各社はノリを使わない「混ぜ込みタイプ」を投入。セブン-イレブンの「わかめ御飯おむすび」が3位に食い込むなど、新しい低価格帯としての地位を確立した。

 一方で、ローソンでは高付加価値なプレミアム商品や、一個で満足できる「大きいサイズ」が通年ランキングに入るなど、高価格帯おにぎりは「ご褒美」から「日常の選択肢」へと変化。

さらに、物流課題や食品ロス解決の切り札として「冷凍おにぎり」の全国展開も加速。ローソンに続き、2026年1月からはファミリーマートも参入するなど、消費者の保存ニーズと供給側の効率化が合致した、新しい流通の形も見え始めている。

 同協会は、2026年のおにぎり3大トレンドとして「世界食化」「二極完成」「完結おにぎり」を掲げている。コンビニにおいては、素材や産地、設計思想を語れるプレミアムおにぎりと、毎日手に取れる納得価格のおにぎり。そのどちらかに振り切った、商品が増加する「二極化」が完成するとみる。

 また、注目すべきは「一個で食事が完結する」スタイルの定着だ。忙しい現代人のニーズに合わせ、おにぎりは「おかずを添えるもの」から、主菜と主食を一体化させた「完結する主食」としてのニーズが高まるという。

 そして、万博などの国際イベントを経て、おにぎりは日本食の枠を超え、海外でもテイクアウトの定番として現地化が進む「世界食」への道を進んでいる。かつての軽食から、グローバルに愛される「選べる主食」へ。2026年、おにぎりは私たちの想像を超えるスピードで、その役割をアップデートし続けている。

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